【野球】パ・リーグ異常事態のワケ 101勝ペースのソフトバンクと98敗ペースの西武 西武は球団史上最速で自力優勝の可能性が消滅

 首位・阪神から最下位のヤクルトまでが7ゲーム差に収まっているセ・リーグに対し、パ・リーグでは首位のソフトバンクと最下位の西武のゲーム差が17・5に広がり、早くも西武の自力優勝の可能性が消滅する異常事態となっている。

 今季2度目となる6連勝中のソフトバンクは23日現在、29勝10敗2分けの勝率・744を誇り、両リーグ最速の30勝到達と貯金20到達にリーチをかけている。143試合に換算すれば、シーズン101勝ペースという驚異的な快進撃で、2位の日本ハムに6・5ゲーム差をつけている。

 一方、最下位に沈む西武は今季2度目の7連敗中で、13勝29敗の勝率・310。シーズン39試合目となった18日のソフトバンク戦に2-3で敗れ、球団史上最速で自力優勝の可能性が消滅した。両リーグ最速の30敗到達が近づいており、シーズン98敗ペースという低空飛行だ。

 ソフトバンクは打線の活発さが際立つ。チーム打率・268はリーグ断トツで、195得点も2位の日本ハムに54得点差をつけるなど、1試合平均で4・7得点の強力打線が他球団の脅威になっている。

 加えて、チーム防御率は両リーグで唯一の1点台となる1・93。有原と中継ぎで防御率0・54の津森がリーグ2位の4勝を挙げ、5試合に先発して防御率1・41の2年目右腕・大津が3勝、防御率0・00の中継ぎ左腕・長谷川も3勝をマークするなど、投打の歯車がきっちりかみ合っている印象が強い。

 逆に西武のチーム打率は両リーグワーストの・210。42試合で101得点。1試合平均は2・4得点で、ソフトバンクを2点以上、下回っている。規定打席到達者の中では源田の打率・252がチームトップで、山賊打線と称され、他球団の投手を震え上がらせた破壊力を今のところ発揮できていない。

 投手陣ではドラフト1位の武内がリーグトップの防御率1・43をマークし、無傷の3勝を挙げ、今井も3勝1敗、防御率2・17と奮闘しているが、エースの高橋が0勝4敗、防御率3・30、平良は防御率1・42ながら1勝2敗と打線の援護に恵まれずにいる。

 阪神OBの中田良弘氏はソフトバンクについて「周東が1番打者として固定できているのが大きい。彼は特に足があるから、チームを乗せていける。やっぱり強いチームには、いい1番バッターがいるものだから」と、ここまで35試合に出場して打率・300、リーグトップの16盗塁をマークしている周東の安定感を挙げた。

 続けて「山川の加入も大きい。打率は2割5分台だけど、12本塁打に44打点。それで前後に柳田と近藤がいる。相手投手からしたらたまらないよね。一難去ってまた一難みたいな。投手陣では去年までリリーフだったモイネロが先発に回ってイニングイーターとしてしっかり長いイニングを投げられているのも大きいと思う」と解説した。

 一方、西武については「ソフトバンクと対照的になるけど、1番バッターの数字が低いし、4番を期待されたアギラーも打率・204。山川が抜けた穴を埋め切れていないし、3、4、5番が走者をかえすのではなく、チャンスメークする側に回っている印象がある。となると、必然的に得点力は落ちてしまうよね。投手陣は先発投手は頑張ってるけど、先発投手が降りてからのリリーフ陣の安定感が欠けるかな。投打において、つながりが悪いというケースを目にする」と指摘した。

 ソフトバンクはプロ野球史上初となるシーズン100勝をマークできるのか、西武は17・5ゲーム差をどこまで詰められるのか。シーズンはまだ序盤。両チームとも100試合以上を残している。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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