阪神とDeNAの勝敗を分けた采配&駆け引きの妙 三浦監督は「後手後手に回ってしまった」と評論家指摘 投手出身も影響?
「阪神7-2DeNA」(11日、倉敷マスカットスタジアム)
阪神が首位攻防3連戦の第1ラウンドを制した。勝敗のポイントを分けたのは阪神1点リードの五回だった。木浪の2点タイムリーでリードを再び3点に広げ、さらに森下の右前適時打で貴重な追加点を奪った。
阪神、広島、オリックスで指導者を歴任し、サンテレビの中継で解説を務めていたデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「采配の妙、駆け引きの妙が勝敗を分けた形になったと思う」と分析。起点は梅野の打席だったと指摘した。
このイニングは先頭の佐藤輝が左前打で出塁したが、続くミエセスは走者を進めることができなかった。1死一塁で打席には梅野。「状況的に考えれば、DeNAからすればどのタイミングでヒットエンドランが来るだろうというね。ディフェンス側からすればここで牽制球を挟んでみたり、ボールから入ってみたり。でも岡田監督は初球から仕掛けてきた。これでDeNAベンチは後手後手に回ってしまった」と岡氏はいう。
ストライクゾーンに来た球を梅野は左翼線へきれいにはじき返し、1死二、三塁と好機は拡大した。そして打席には走者一掃の3点二塁打を含む2安打の木浪。阪神ベンチはネクストサークルに青柳ではなく代打の選手を立たせた。DeNAは0-3から2点を返して1点差に迫り、これ以上の失点は避けたい場面だ。
「DeNAベンチが採れる選択肢は満塁にした上での青柳勝負。阪神ベンチが梅野でヒットエンドランをしかけた時点で代打策はないと考えられた。試合前に青柳に声をかけていたことも含めれば、岡田監督の考えは続投だったんじゃないかな。仮に青柳に代打を出すなら梅野にバントさせた上で2死二塁で木浪。木浪が歩かされれば代打という勝負になっていただろう。でも梅野にエンドランを仕掛けた時点で、代打はないと考えられたよね」
そんな状況下でDeNAベンチは木浪勝負を選択。だがバッテリーは初球の内角ストレートをはじき返されてしまった。一、二塁間を破るタイムリーで2点。さらに攻撃は続き、森下に右前にポトリと落とされて4点差へと広げられてしまった。ベンチの岡田監督は笑みを浮かべてネクストの選手にベンチへさがるよう指示。「阪神のリリーフ陣を考えると、ここから反撃するのは相当のエネルギーがいる。結果として後手後手に回ってしまったことがこのイニングの3点につながったんじゃないかな」と岡氏は言う。
「初球からエンドランを仕掛けられて『しまった』というところで、木浪にも初球を打たれてしまった。そういう勝負事の詰めの部分であったり、細かいところであったり。これまでの傾向として投手出身の監督は勝負どころでストライクを先行させたい思いが強い。一方で捕手、内野手出身の監督はボールから入ったりするんだよね」と過去の経験から指揮官のタイプも読む。
「そういう違いも出たようなゲームだったと思う。DeNAは勢いに乗ってガーッと行けるときは3連勝したりするけど、一つ後手に回ると、あれ?っという負け方にもなる。まだ半分を過ぎたところで勝負をかけるところは両チームともまだ先になると思うけど、阪神からすれば青柳で勝ったというのが大きかったよね」と岡氏。第2戦は甲子園へと舞台を移すが、両チームの興味深い戦いは今後も続いていきそうだ。(デイリースポーツ・重松健三)
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