阪神・小幡 人生初サヨナラ打「決めてやる」 木浪躍動の陰で「準備」怠らず 12球団唯一3連敗阻止

 「阪神6-5ロッテ」(3日、甲子園球場)

 岡田阪神が底力を見せつけた。九回に3点リードを追い付かれ、5-5で迎えた延長十一回1死満塁。途中出場の小幡竜平内野手(22)が中前へ殊勲の一打を放ち、今季5度目のサヨナラ勝ちを決めた。連敗を2で止めて、またも3連敗を阻止した。これで今季の延長戦は4勝1分けの負けなし。劇的勝利の勢いで、4日はロッテの豪腕・佐々木朗を打ち崩す。

 小幡は腹をくくった。「自分が決めてやるとしか思っていなかった」-。外角直球に素直にバットが出る。聖地の大歓声、冷たいウオーターシャワー。頭は真っ白になった。

 「最後は何が何だか分からなかったです。本当にうれしいしか出てこないですね」

 3点リードの九回に守護神・湯浅が2本の適時打を浴びてセーブ失敗。その裏には無死一塁から出場した代走・植田がけん制死するなど、勝利の雰囲気から遠ざかった中で延長十一回を迎えた。

 1死満塁。小幡はカウント1-1からロッテ・広畑の外角直球を捉えた。人生初のサヨナラ打となる中前適時打をマーク。併殺となればチャンスをつぶす極限の状態に打ち勝ち、快音を鳴らした。

 かつては、米大リーグでも活躍した現・ヤクルトの青木の打撃に憧れた。低い構えから繰り出されるボールを面で捉えるスイング軌道。見よう見まねで習得に励んだ。

 打撃のお手本とも言われる青木のレベルスイング。ただ、結果が出ない中でその“型”をあえて崩した。おろそかになっていたのは対投手の意識。スイングの形にとらわれすぎず、良いタイミングで打つことにフォーカス。打の基本である受け身の考えを頭にすり込み直し、自分に合った打撃の型を見つけた。

 今季から岡田監督が就任し、レギュラー獲得のチャンス到来。オープン戦から守備だけでなく打撃でもアピールに成功し、開幕遊撃スタメンをつかみとった。しかし、瞬く間に勢いは失速。木浪にその座を譲り、出場機会は激減した。

 木浪躍動の陰に隠れた。それでも、腐らなかった。「常に控えでも状況を想定しながらできている。いい準備は日々できています」。日の目を浴びない場所で重ねた努力が報われた。

 チームは土曜日負けなしの不敗神話を継続し、同じく初となる3連敗を阻止。延長に入った試合では5戦負けなしと接戦での勝負強さも際立つ。今季は雨天中止後の試合は4連敗を喫していた負の連鎖からも脱却。勢いづいた虎はそう簡単には止まらない。

 ◆12球団唯一、3連敗なし 阪神は連敗を2で止め、今季3連敗なしを継続。今季2連敗は7度。過去6度は4月8日・ヤクルト戦、同18日・広島戦、同22日・中日戦、同27日・巨人戦、5月3日・中日戦、同11日・ヤクルト戦で3連敗を阻止していた。

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