阪神・伊藤将 プロ初2桁12Kも2発に沈む 2戦連続完投負け「ダメなところで打たれた」

 3回、村上に右越え3ランを浴びた伊藤将(撮影・佐々木彰尚)
 試合後、ベンチで悔しがる伊藤将
先発の伊藤将(撮影・飯室逸平)
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 「ヤクルト4-2阪神」(17日、神宮球場)

 右翼スタンドへ一直線に向かう白球。阪神・伊藤将司投手(26)は膝に手をついて見送った。普段クールな表情に悔しさがにじみ出る。三回2死一、三塁で村上に先制3ランを被弾。1点ビハインドの八回1死でも山田に左越えソロ。一発攻勢に沈んだ。

 「やっぱりランナーをためて、村上に一発はダメなところで打たれてしまった」

 自身初の2桁奪三振となる12三振を奪い、両リーグトップとなる5完投目。それでも8回5安打4失点で今季初の連敗を喫した。

 三回までは毎回走者を背負って苦しんだ。「3点取られてから修正できた」。八回2死から山田にソロを浴びるまで走者も許さず。五回から六回2死まで5者連続三振を奪うなど、圧巻の投球も披露した。

 2発を除けば、キレのある直球と緩急を駆使し、12奪三振のうち、半分以上の7つで見逃し三振を奪った。「ストレートがしっかりコースにいっていた」。六回まで毎回奪三振。凡打を築くいつものスタイルから一変し、この日はドクターKと化した。

 手応えのある投球だっただけに、2発が悔やまれる。「チームがあと1点差まで持ってきてくれたので。その最後に1点を取られてしまって、ちょっと流れが変わってしまった」と肩を落とした背番号27。それでも矢野監督は「状態的にもそんなにいい感じではなかったけど、その中で粘ってくれた」と左腕をねぎらった。

 クオリティースタート(6回以上、自責点3以内)は7試合でストップ。それ以上に、最も欲しかったチームの勝利を導けなかった事実が胸に宿る。この日の反省を糧とし、次こそ9勝目をつかんでみせる。

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