阪神 真夏の夜の悪夢 消えた藤浪星 小幡悪送球、中野エラー、岩崎打たれイッキ4失点
「広島6-5阪神」(6日、マツダスタジアム)
悪夢が繰り返された。3点リードの九回、阪神・岩崎優投手(31)がまさかの4失点で今季8度目のサヨナラ負け。守備の乱れもあったが、7点差をひっくり返された開幕戦と同様に、七回途中2失点と奮闘した藤浪晋太郎投手(28)の今季初勝利が消えた。
悲劇が繰り返された。同点とされた九回、守護神・岩崎が秋山に投じた3球目はまさかのサヨナラ打となって右前で弾んだ。右翼・佐藤輝の本塁返球も間に合わない。今季8度目となるサヨナラ負けの瞬間、グラウンドのナインはぼう然。開幕戦を思い起こさせるような敗戦で藤浪の今季初白星が消滅。矢野監督はグラウンドへ目をやると、足早にベンチ裏へと姿を消した。
この夜も、先発・藤浪から岩貞、浜地、ケラーと必勝リレーでつなぎ、連勝まであとアウト3つだった。だが、3点リードで迎えた九回、頼みの岩崎がつかまってしまう。
先頭・小園、会沢の連打でピンチを背負い、上本の打球(二塁内野安打)を処理した小幡が一塁へ悪送球。二走の生還を許して2点差となると、1死後、菊池涼のイレギュラーした打球を今度は遊撃・中野がファンブル。打球が外野を転々とする間に、同点となってしまった。
「ちょっと跳ねたかなっていう感じはあったし。この球場は難しいからね。拓夢(中野)も、あいつの守備で助けられていることもいっぱいあるし。跳ねたとはいえ、拓夢なら捕ってやらなアカンのもあるけど…」
敗戦直後、矢野監督は悔しさを押し殺しつつも、ナインを責めることはなかった。この6連戦で4試合目の登板になる岩崎について「立ち上がりにコンって打たれちゃって、相手のペースになってしまった」。悪送球した小幡についても「ある程度速いボール投げなアカンし、おれは責めることはできないと思うけどね。もちろん、竜平(小幡)だってあれをアウトにできるようになっていかなアカン」と今後の成長の糧とするように求めた。
ただ、惜しい敗戦には違いない。この夜、首位・ヤクルトは巨人に連敗。虎が逃げ切っていれば、8・5ゲーム差に詰め寄ることができていた。開幕から苦しめられてきた広島戦は18年以来、4年ぶりのカード負け越しが決定した。前日5日には大山、北條が新型コロナウイルス陽性で離脱。試練は続くが、残り41試合、前を向いて戦い抜くしかない。