阪神・近本“再出発”の今季1号 記録途切れた翌日に新スタイル 根本には『自分軸』

 6回、1号2ランを放ち歓喜の表情で生還する近本(撮影・飯室逸平)
 6回、右越えに2ランを放つ近本(撮影・佐々木彰尚)
 宇良(左)の信念「自分軸」を手にポーズを決める近本
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 「ヤクルト0-8阪神」(8日、神宮球場)

 今季101本目の安打、そして今季1号となる2ラン。“再出発”にふさわしい一打が、神宮右翼席中段に突き刺さる。初めて虎メダルを首にかけた阪神・近本は「今日からまた頑張ります」と満面の笑みを浮かべた。

 1点リードの六回。1死からセーフティーバントを決めた島田を一塁に置く場面で打席へ。ど真ん中に来た失投を完璧に捉えた当たりは“打った瞬間”の本塁打となり、チームにとって大きな大きな追加点となった。

 前日に連続試合安打記録が「30」で途絶えた段階で「明日から新しい自分に挑戦できる」と話した近本は、この日に向けて思考を切り替えていた。「記録も終わって、やっと“3番らしくやろう”と」。昨季はプロ入り3年目で初めて2桁本塁打に乗せたが、今季ここまで0本。『安打製造機』から『ポイントゲッター』に生まれ変わり、昨年10月19日のヤクルト戦以来、262日ぶりの一発を放った。

 ある力士から授かった言葉を胸に戦っている。今年のデイリースポーツ正月紙面企画で、昨年12月に関学大の先輩・宇良と対談。その際に『自分軸』という言葉をプレゼントされ、「互いの合言葉にしましょう」と提案された。

 周りの評価や価値観などを基準にせず、自分の考えのもとに行動する-。自身の考えにピタリと当てはまる、この言葉が深く胸に刺さった。あまりの気に入りように、対談翌日に行われた契約更改会見の場で『自分軸』の話を持ち出し、思わず「正月紙面用だから、まだ言ったらマズかったですね」と、苦笑いで“フライング”をわびたほどだった。

 思い切り引っ張った一発に「それが新しいスタイルだと僕は思っているけど」と明かし、「でも、それがベースにはならない。あくまで僕なんで」とニヤリ。「今日は思っていた通りになって良かった。明日からどうなるか分からないけど」と、また笑った。連続安打が途切れた翌日に見せた“シン・チカモト”。その根本にも『自分軸』があった。

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