阪神・佐藤輝 延長十回“テルレーザー”で救った 6打数無安打も守備で大貢献
「阪神6-5中日」(26日、甲子園球場)
阪神・佐藤輝の右腕から矢のような送球が放たれた。白球は捕手・梅野のキャッチャーミットにノーバウンドで収まり、本塁生還を狙ってヘッドスライディングで滑り込んだ二走・石岡を悠々タッチアウトにした。聖地に鳴り響く万雷の拍手。勝ち越しの危機を救った救世主は、誇らしげにベンチに帰還した。
延長十回2死一、二塁。石橋の右前に落ちるライナー性の打球に素早く反応した。タイミングを合わせてチャージし、ワンバウンドで捕球からコンパクトにボールを握り替えて強肩を披露。矢野監督は「テル(佐藤)のいいバックホーム。チームのムードとしても盛り上がっていく」と試合の流れを変えたワンプレーを称賛した。
兵庫・甲陵中時代は、地元で名をはせた強肩だった。同じ西宮市内にある報徳学園中には、強肩が売りでJR西日本から19年度ドラフト1位でソフトバンクに入団した同学年の佐藤直が在籍していた。小学生時に肩肘を痛めていた佐藤輝は、中学3年まで力を加減しながら投げていたにもかかわらず、周囲は佐藤直と肩を並べる強肩と認めていたという。
チームの窮地を救った背番号8。この日は6打数無安打と打棒は沈黙したが、“テルレーザー”で聖地を魅了した。