阪神・近本“どや顔”先制適時打 自己最長タイ14戦連続安打「内容ある打席を」
「オリックス1-9阪神」(12日、京セラドーム大阪)
この男の勢いも止まらない。圧勝に終わった交流戦ラストゲーム。先制点をたたき出したのは阪神・近本のバットだった。三回2死一、三塁。オリックス先発・宮城の武器であるスライダーが、甘く入ったのを見逃さない。
きれいにはじき返した打球は、中前で弾む先制適時打に。一塁上では“どや顔”で自軍ベンチ方向へ、人さし指を立てながら右手を挙げた。これで今季2度目の自己最長に並ぶ14試合連続安打。「それもうやめてください…(笑)」と本人は記録に無頓着だが、打ち出したら簡単に止まらないのが、虎の安打製造機の特長だ。
2死一塁で迎えた五回の次打席では、オフから取り組んできた“逆方向への強い当たり”を左前に運ぶ。これでセ・リーグトップ76安打。マルチ安打で締めた交流戦打率は・361となった。
阪神進撃の契機となった新打順で1→3番と打順が移ったのが、今月1日の西武戦。「いつかはやってみたいとは思っていたので。前も後ろも調子がいい選手が多いので、僕は気楽に楽しく打席に入れていると思います」と笑う。
3番に入った6月以降の打率は・404。1番打者の時は「1打席目が大事」と考えていたが、「それよりも今日一日のどこで大事な一本打つかっていう方が、ちょっと大きくなっているかなと思います」と意識の違いを明かす。
「今年は結果よりも内容のある打席を増やしていきたい」と話す近本。この哲学的な思想をもとに、これからもバットで快音を奏で続けていく。