阪神・ウィルカーソン、投打で躍動 6回1失点2勝目&鮮やかセーフティースクイズ

 「DeNA1-8阪神」(15日、横浜スタジアム)

 ハンサムフェースは崩れない。阪神・ウィルカーソンが当然のように見せた安定投球。貴重な追加点を生み出した“小技”も効果抜群だった。「全体を通して良い投球ができた」。まるで俳優のような長髪のイケメン右腕が、華麗にベイ斬りだ。

 軸は140キロ台半ばのストレート。その中で織り交ぜるチェンジアップが効果的だった。初回は1番・関根と2番・楠本を続けて空振り三振に斬るなど上々の立ち上がり。四回に3連打で1点を失うも、テンポ良く投じた98球で6回5安打1失点で2勝目。来日初登板初先発初勝利を飾った4月16日・巨人戦以来、約1カ月ぶりの白星となった。

 マウンド上だけではない。打席でもイケている。二回は1死一、二塁から犠打を決め、近本の先制打を導いた。さらに、梅野の右犠飛で1点を追加し、なおも続いた五回1死一、三塁だった。入江が投じた初球の直球を絶妙に一塁へ転がすと、三走・糸井が滑り込みながら左手でホームに触れた。

 「糸井さんのようなベテランの方が頭脳的というか、すばらしい走塁で1点を取れた」と助っ人。自らが器用に決めたセーフティースクイズ(記録は一犠打野選)でチームに6点目をもたらした。

 投打は鮮やか、お口は爽やかだ。試合中はリラックス効果を期待しガムをかむ。お勧めの味は「ミント系」。この日で登板5試合目。いずれも5回以上を投げ2失点以内。ガムを口にしてリズミカルに試合を作る姿が頼もしい。才能も多彩で野球から離れれば釣りやギターに興じるほか絵まで描く。「絵は娘(のリクエスト)に合わせて」。家族とチームを思うナイスガイだ。

 自身の白星より、チームで勝利をつかんだことに価値を見る。「全員で勝ち取った1勝」。爽やかな表情を浮かべるハンサム右腕。まだまだ、こんなものではない。

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