【狩野恵輔氏の眼】阪神・佐藤輝の一打がDeNAバッテリーに与えた影響
「DeNA2-9阪神」(14日、横浜スタジアム)
阪神OBでデイリースポーツ評論家の狩野恵輔氏(39)が横浜スタジアムのDeNA-阪神戦を解説。大量9点と久々に大勝した打線の「キーポイントは佐藤輝」と分析した。
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阪神は打線がつながっての快勝だったが、キーポイントは佐藤輝の第1打席にあったように思う。1点を先制し、なおも1死二塁。カウント1-1から上茶谷が投じた内角ギリギリの直球を右翼線へ引っ張り込んだ。
元々、苦手と言われていたコースのストレートをきれいに引っ張ったことで、DeNAバッテリーからすれば非常に嫌な打たれ方だったと思う。「ボールが来ていないのかな」と感じてしまい、結果以上のダメージが残る。
初回を見る限り、決して上茶谷の直球は悪くなかった。佐藤輝の一打が、ストレートをしっかり狙っていった他の選手にも好影響を及ぼし、中盤までの大量得点につながったと考えられる。そしてこの一打は次戦以降にもつながる。
苦にしていたインコースを打てるとなれば、長打力もあるだけに、相手ピッチャーはコントロールミスが許されない。配球パターンを考えても、これまでのようにインサイドを攻めておけば大丈夫-という形にはならないと思う。
他球団もこのシーンはチェックするはずで、佐藤輝は弱点を克服したという印象を持たれる。中野もよく打ったし、青柳も悪いなりに粘った。その中でも今後の戦いを考えれば、自身にとってもチームにとっても佐藤輝の一打が大きかったと言えるゲームだった。