阪神 セ界ワースト更新の開幕9連敗 矢野政権最多の借金も「俺らの野球やるしかない」

 ベンチからグラウンドを見つめる矢野監督(撮影・田中太一)
 7回、糸井は打球に追いつけず3点タイムリーとなる
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 「巨人9-5阪神」(3日、東京ドーム)

 いつになったら雨はやむのだろうか。最後の航海にこぎ出した『矢野丸』は、開幕3カードで1勝も挙げることができない最悪の船出となってしまった。

 初回に浴びた一撃が痛すぎる。阪神の先発は腰の張りで出遅れ、今季初登板となったガンケル。まだ見切り発車だったのか。「もうちょっとスピードも欲しいし、本来のコントロールではなかった」。矢野監督が振り返ったように、自慢の制球力は見る影もなく、初回からワンバウンドの明らかなボールを連発する。連続四球などで1死満塁とすると、不振が続いていた中田を打席に迎えた。

 その初球だ。高めに浮いたカットボールを完璧に捉えられる“打った瞬間”の満塁弾。初回からの大ピンチにベンチから福原投手コーチがマウンドに駆けつけ、助言を送った直後の初球というのが何とも情けない。

 打線はルーキー右腕・赤星に手玉に取られ、初回からゼロ行進。六回に糸井の一撃で2点を返し、追い上げムードになった直後にまた痛い失点だ。七回、アルカンタラが1点を失い、なおも2死満塁。吉川の放った力ない打球が左翼・糸井の前にポトリと落ちる。こんな“ポテンヒット”が、走者一掃の3点適時二塁打になってしまうのが、今の流れの悪さを象徴している。

 開幕9連敗はセ・リーグ初となる不名誉な記録。それでも指揮官は「俺らの野球をやるしかないんで。『超積極的』とか『あきらめない』とか『挑戦する』とか。そういうのをやっていくしかない」。いつものフレーズで自らを鼓舞するかのようにうなずいた。

 「もがき苦しんで、その中から成長していけるものを、チームも、俺も見つけていかないと駄目なんで」。矢野監督はそう締めくくった。5日の甲子園開幕を浮上のきっかけにできなければ、この船はもう沈没してしまう。

 ◆セ界ワースト更新…開幕9連敗は79年・ヤクルトの8連敗を塗り替えるセ・リーグワースト。最長は開幕12連敗で55年・トンボと79年・西武(2分けを挟む)。球団のシーズン9連敗は07年4月28日・広島戦~5月9日・巨人戦以来。借金9は矢野政権ワースト。巨人戦同一カード3連敗は20年8月18~20日以来。シーズン最初の巨人戦3連戦で3連敗したのは開幕カードだった同年6月19~21日以来。

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