阪神 震災から27年で黙とう 谷本副社長が当時を振り返る
阪神のドラフト1位・森木大智投手(18)=高知=を始めとした新人ら約50人の球団関係者が17日、阪神・淡路大震災から27年となったことを受け、鳴尾浜で黙とうを捧げた。
その後、谷本修球団副社長が取材に応じた。地震発生当時は阪神電鉄本社の人事部人事課に所属。「鉄道も落っこちていました。会社もつぶれるんじゃないかと思っていました。強烈な体験ではあります」と思い返した。
当日の記憶として鮮明に残っているのが、会社に連絡を入れようと公衆電話に並んでいた時のこと。「前の男性の方が、ちょうど今の私ぐらいの年代の方が、ふっと見たら頭から血を流して並んでおられた」と振り返り、水を受け取るために「並んだ記憶っていうのがすごく鮮明ですね。それで近所の公園に仮設が立ち出して」と当時の様子を説明した。
当日は出社したが「尼崎あたりも結構ガス漏れの臭いがひどくて、ところどころ隆起したり陥没したりしていました」と悲惨な光景が広がっていた。「私は自転車で出社したんですけど、家内はまだ身重で。堺の親戚がバイクで駆けつけてくれて、生きていたことをすごく喜んでくれた、涙を流して喜んでくれたことが当日の記憶ですね」。それから、この日で27年となった。
「地域の皆さんに受け入れられてのプロ野球球団だと思いますので、その思いはしっかりと持ってプレーしてほしいと思います。佐藤君なんかも西宮の出身でそこは強く持ってくれているようなので、うれしく思います」
17年ぶりのリーグ優勝、37年ぶりの日本一を目指す今季。「コロナも何とか乗り越えて、社会に元気を与えられるようにやっていきたいと思います」。被災地に本拠地を置く球団としての使命を再確認し、改めて一丸で頂点を目指すと誓った。