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阪神・青柳の快進撃支えた“画面”の言葉 退団レジェンドとの熱い絆

 デイリースポーツの記者が今年を振り返る企画「番記者ワイドEYE」は、ついに覚醒の時を迎えた阪神・青柳晃洋投手(27)を支えた“画像”にフォーカス。17年から19年まで阪神担当だった松井美里記者(30)が、先輩&後輩の垣根を越えた熱い絆をひもとく。

  ◇  ◇

 勝利に喜び、敗戦には悔しさをあらわにする。13勝を挙げた今季の青柳は、自分自身とずっと戦っていたように思う。チームのためにと腕を振り、最多勝と最高勝率で二冠を獲得。プロ6年目。去った先輩の思いをつなぎ、後輩も増えるにつれて自然と背負うものが増えた。

 投手陣の柱として確立されたのは、相手エースとの投げ合いだった。6月22日の中日戦。東京五輪野球日本代表に内定後、初めてのマウンドで大野雄と相対した。「やることは変わらない」と表情を引き締めて向かった試合は、両者一歩も引かない展開に。1点リードで迎えた六回1死一、三塁のピンチを切り抜け、7回4安打1失点(自責点0)で勝利をつかんだ。

 「めちゃくちゃ意識していましたし、大野さんは素晴らしい投手。ロースコアになるのは分かっていましたし、そういうピッチャーに勝ててすごい良かったなと思います」

 今季の快進撃を支えた裏には、今も感謝し、尊敬する先輩の言葉があった。2年間決して変わることのなかった待ち受け画面。勝利を手にした歓喜の夜も、打ち込まれて沈んだ朝も、いつも胸に刻んできた。

 「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ!」

 2019年。阪神で過ごした鳥谷との最後の1年が、幕を閉じた。青柳にとっては初めて先発ローテを回り、9勝を挙げた転機のシーズン。最後に「僕に何か言葉をください」とお願いしたという。

 「誰かの言葉みたいなんですけど、鳥谷さんからの言葉だと思ってますね。去年9勝したからって、毎年、毎年が勝負だぞって言ってくれているみたいで」。1日に一度は必ず目に留まる場所に画像を設定。携帯電話を見つめる度に、表情は自然と引き締まった。

 おごらず、腐らず、前だけを見て走り続けてきた。苦しく、もがき続けた2軍時代を乗り越えて、今見えている景色がある。「まだ周りからも、エースとは呼ばれないからね」。目指すべき場所は、まだまだ高い。

 座右の銘は「やれば、できる」。可能性を信じ、また走りだす。追うのは、何年も結果を示し続けてきた憧れの背中だ。青柳の飛躍はまだ途中段階だと、私は信じている。

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