阪神・秋山の頼もしさ凝縮 8・22中日戦7回0封でチーム連敗ストップ

 デイリースポーツの記者が今年を振り返る企画「番記者ワイドEYE」。今回は阪神・秋山拓巳投手(30)が8月22日・中日戦(バンテリン)で発した雄たけびです。阪神担当の間宮涼記者(26)が、年長者としてチームをけん引する秋山の姿を交え、振り返ります。

  ◇  ◇

 魂の雄たけびだった。「うおりゃー!」。8月22日・中日戦。秋山がうなり声とともに、ラスト90球目を投じた。木下拓を見逃し三振。観客の入場制限がかかって以降、話題になっていた右腕の投球時の声だが、この時は桁違い。一瞬、耳を疑ったほどのすさまじさだった。

 それだけの気概を持って臨んだ試合だった。チームは3連敗中。しかも、先発陣が序盤に大量失点して早期降板する形が続いていた。「僕が止める」。強い気持ちでマウンドに上がり、7回4安打無失点。チームの苦しい空気を振り払うような快投で、自身も2桁勝利に王手をかける9勝目を挙げた。

 この1年間で感じた秋山の「頼もしさ」を凝縮したシーンだったように思う。今季は24試合に登板して10勝7敗、防御率・2・71。「イニング数(132回2/3)を多く投げることができなかったですし、同じ相手に何度か負けてしまい、悔しい負け方の多かったシーズンだったのかなと思います」。悔しさをにじませたが、数字以上にその存在は大きかったはずだ。

 特に、後輩たちの口からは頼りにする声が多く聞かれた。ともに開幕からローテを支えた伊藤将のコメントには「秋山さんに投球のアドバイスをいただきました」、「秋山さんの考え方を持って、自分も取り組んでみようかなと思いました」など何度も名前が登場。同じくルーキーの村上は「『この1球は次のための1球』という秋山さんに言われた言葉は、一番自分の中に響いています」と大きく影響を受けた。

 来季はプロ13年目。「21」の背番号を受け継いだ岩田稔らが引退し、生え抜き選手では最年長となる。「今年感じた部分とかもいろいろあるので、もっと選手たち一人一人ができることがあると思う。そういう意識にさせるとか、そういうことをやっていけたら良いなと思います」。一般的なリーダーのタイプとは少し違う。仲間に寄り添いながら、一緒にチームを成長させていく秋山にしかできないスタイルで、来季も猛虎を引っ張ってくれるはずだ。

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