【岡田彰布氏の眼】「出し惜しみが勝負を分けた」高橋を代えるべきだったこれだけの理由

 「セCSファーストS・第1戦、阪神0-4巨人」(6日、甲子園球場)

 阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(63)が6日、甲子園で行われた「JERA クライマックスシリーズファーストS セ」でデイリースポーツの解説を務めた。勝負の分岐点に挙げたのは六回2死一、二塁の場面。高橋から右投手にスイッチすべきだった理由を指摘した。

  ◇  ◇

 阪神にとっては非常に悔いが残る負けとなった。ゲームの分岐点は中盤の攻防だ。ポイントとしては1点ビハインドの六回2死一、二塁から、なぜウィーラーを迎えたところで右投手を投入しなかったのか。その裏に投手のところへ打順が回ってくる中、負ければ2試合で終わってしまう短期決戦で、“出し惜しみ”をしてしまった感が否めない。

 まず高橋はシーズンの状態とは明らかに違った。直球で空振りを奪うシーンがほとんどなかったように、ボールが走っていなかった。最後の登板で左肘に違和感を訴えて降板したように、万全ではなかったとみられる。巨人打線も一回り目はファーストストライクを意図的に見逃すような感じだったが、ボールが来ていないと判断した二回り目以降は積極的に振ってきた。

 さらに巨人が置いた高橋攻略のキーマンは5番・ウィーラー、6番・中島と並べた右打者。菅野の投球内容を見れば明らかに1点勝負。試合の流れを考えても、相手の狙い通りにこの2人で追加点を奪われることだけは、絶対に避けなければならなかった。

 4番・丸は高橋に対してタイミングが合っており、ここを歩かせて2死一、二塁。ベンチの動きを見れば投手コーチがブルペンに電話を入れており、マウンドに行って間を取ることもできなかった。これだけ交代を考えられる要素が合った中で、相手の見極め、そして自軍選手の見極めはできていたのか-。非常に悔いが残ってしまう場面だ。

 そして攻撃面でも痛いシーンがある。五回無死一塁、糸原の打席で1ボールから作戦を仕掛けたが、巨人バッテリーに完璧にウエストされて失敗した。これは現役時代の1995年にオリックス-ヤクルトの第1戦でも同様のシーンがあり、最初に仕掛けたヒットエンドランを古田に完璧に外された。以降、仰木監督は思い切った作戦を採れなくなり、サインもシーズンとは違うものに変える必要性が出てくる。

 阪神にとっては非常に“痛い負け方”で、後が無くなった。短期決戦での出し惜しみはやはり禁物。悔やまれる第1戦となった。

野球スコア速報

関連ニュース

編集者のオススメ記事

阪神タイガース最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(阪神タイガース)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス