阪神・糸井「爪痕残した」満塁一掃打 宿敵に食らわした連倒 初戦の雪辱果たす

 「巨人3-4阪神」(26日、東京ドーム)

 しっかりと脳裏に焼きついたで-。阪神の糸井嘉男外野手(40)が1点リードの五回に、貴重な走者一掃3点二塁打を放った。1週間ぶりの先発となったチーム最年長が「爪痕残したろう」と意地を見せて連勝。3位・巨人の自力優勝の可能性を消滅させた。首位・ヤクルトも勝ったため首位奪取はならなかったが、V争いに弾みがつく快勝だった。

 薄氷の勝利に歓喜した試合後、G党が家路を急ぐ中で糸井の“独演会”が始まった。「いや、もうなんかね。爪痕を残したろう思て。はい。それだけです」。虎党から大きな拍手を浴びたかと思えば、絶妙な間で繰り出される“超人節”に爆笑の渦が巻き起こる。痛快なヒーローインタビューの最後は、優勝宣言で締めくくった。

 「みんなの目標というか、一つなんで。絶対に頂点に立てるよう、監督を胴上げできるように残り試合を頑張っていきます!」

 19日・巨人戦以来、1週間ぶりに先発。「やっぱり強いジャイアンツに勝っていかないとテッペンは取れないと思っているんで」と燃えていた。二回無死の中前打で好感触をつかみ、迎えた1点リードの五回2死満塁の絶好機。鍵谷の初球、内角直球を見事にはじき返した。

 鋭いゴロが一塁線を破り、3人の走者が一気に生還。二塁上の背番号7は沸きに沸く三塁ベンチに右拳を向けた。「爪痕を残そうと、初球から行きました。最高です」。3位・巨人の自力優勝を消滅させる勝利を呼び込んだチーム最年長の40歳。矢野監督も賛辞を惜しまない。

 「ビジターでも早出をしたり。諦めない姿を一番、ベテランが見せてくれているんで。それは嘉男(糸井)自身にとっても、一本一本が大きいし。チームにとっても、そういうベテランがいてくれるということは大きいことなんでね。助かっています」

 24日の巨人戦は九回に同点に追い付き、なお1死三塁から代打で空振り三振に倒れた。「あの後、(ホテルの)部屋のじゅうたんが掘れるくらい素振りしてたんで」。悔しかった。寝られなかった。リベンジの機会を脳裏に描き、一心不乱にバットを振り込み、すぐさま結果へつなげた。

 首位・ヤクルトとはゲーム差なしの2位。「勝ちたい。それだけ。今」。巨人撃破の立役者は短い言葉に思いを込めた。日本ハム時代には2009、12年に主力としてリーグ優勝を経験している超人。頼もしい後輩たちと共に阪神でも、悲願の瞬間を味わう。

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