阪神・梅野 侍対決制した!DeNA・山崎から大きな追加点
「DeNA2-6阪神」(17日、東京ドーム)
侍対決を制した。3-2の八回1死三塁、阪神・梅野は集中力を最大限に研ぎ澄まし打席へ向かった。スタンドからは、メガホンが鳴り響く。マウンドには10日前まで同じユニホームを着て、東京五輪を戦ったDeNA・山崎。かつての戦友が投じた1球を中前へはじき返し、大きな1点を奪った。
何としても追加点がほしい場面だった。序盤から思うように得点が奪えず、佐藤輝の独り舞台で3点を挙げるにとどまっていた。カウント3-1からの直球をフルスイング。鋭い打球はマウンドで弾み、中前に抜けた。
山崎は両膝をつき、梅野は塁上で右拳を掲げた。「海(植田)が大事な場面でよく走ってくれましたし、中野がしっかり進塁させてくれたので、何としてもかえすという気持ちで打ちました」と納得の表情だ。
東京五輪での出場は1試合。ただ、「チーム一丸で勝ち取った金メダル」とベンチでも自分の役割を全うした。「一人一人の役割をチームとしての一試合にどう生かしていくか」。五輪の経験を虎に伝えると誓っていた。
この日、第一声でたたえたのは途中出場で二盗を決めた植田。自分の役割を全うした植田を梅野が本塁に生還させる。虎の正捕手が侍で学んだ野球を体現してみせた。