阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏（６３）が、自身の経験を基に球界の話題を深掘りする「岡田辞典」－。首位・阪神と２位・巨人のゲーム差が２・５と詰まってきた中で、岡田氏は“原点”に立ち返る必要性を説いた。

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　巨人とのゲーム差が２・５に縮まったというところなんやけど、阪神から言えば慌てる必要はないんよ。ゲーム差ではなく、まだ貯金は１７もある。ここで考えなければいけないのは、開幕直後からどうやって貯金を積み重ねてきたかというところやろな。

　よく先行逃げ切り型という話題が出ていたんやけど、そこに関して言えばピッチャーの使い方を間違ってなかったよな。勝ちパターンが決まって、六回までに打線がリードを奪ってスアレス、岩崎に岩貞らも含めた３人で守り切って勝ってきた。

　しかし交流戦明けの巨人戦で藤浪が同点から登板して打たれたり、岩崎が１点ビハインドの状況で登板することもあった。まだ中盤で余裕がある時にこういう使い方をすると、これまでの戦い方が崩れてしまう。

　それによって一番怖いのはブルペンの役割が不透明になってしまうこと。戦い方が固まっている時は「きょうの展開なら俺」といった形で、選手も準備ができる。これを崩してしまうと、ブルペン陣というのは簡単に崩壊してしまうんよ。

　だからリリーフ投手の使い方というのは、注意しなければいけない。現状、勝ちパターンが固まっていない中で阪神に言えることは…どうやって勝ってきたか－。その原点に立ち返ることやと思うよ。