阪神・矢野監督「あきらめない野球できた」 6得点すべて2死走者なしから
「楽天5-6阪神」(13日、楽天生命パーク宮城)
交流戦ラストゲームも、矢野阪神が掲げる“あきらめない野球”で劇的な勝利につなげてみせた。この日の6得点は、すべて2死走者なしの状況からたたき出したものだ。
「(梅野の四球も)2ストライクに追い込まれてからやからね。そこであきらめずに出て行って、ああやって走ってくれたのは相手にかなりのプレッシャーを与えられた」
特に矢野監督は同点に追いつかれながらも再び勝ち越した九回、梅野の粘った末の四球、盗塁に高い価値を認める。田中将を攻略した12日の大山の先制2ラン、佐藤輝の中押し弾。振り返れば、それも2死走者なしから生まれたものだった。
「2アウトから(走者が)出て得点につながっているところは、タイガースの強みにしていきたい。そういうあきらめない野球ができた」と指揮官はご満悦。涌井、田中将、早川の先発3本柱、そして守護神・松井を打ち崩してのパ・リーグ首位相手の3連勝は絶大な値打ちがある。
初戦から11戦連続で黒星、白星が続く“オセロ状態”だった交流戦も、終わってみれば11勝7敗。怒濤(どとう)の6連勝締めで4個の貯金上積みに成功し、08年以来13年ぶりとなる2位で交流戦をフィニッシュした。
「疲れで調子も落ちていたりして、チーム全体として苦しかったんだけどね。それでも何とか粘って来られたのが最後の6連勝につながったと思う。ジャイアンツ戦から始まる後半に向けて、全員でいい形をつくれた交流戦になった」
開始前には4・5だった2位とのゲーム差も7にまで広がった。例年苦しんできた“難所”を乗り切った頑強な猛虎は、このまま16年ぶりの歓喜へ向けて突っ走っていく。