「阪神強し、を印象づけた江越の盗塁」岡義朗氏が分析

8回、阪神・佐藤輝は空振り三振に倒れる=甲子園(撮影・山口登)
8回、代走の阪神・江越は盗塁を決める=甲子園(撮影・山口登)
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 「阪神4-6ロッテ」(27日、甲子園球場)

 阪神は逆転負けで、交流戦最初のカード勝ち越しを逃した。打線はロッテ先発・佐々木朗から五回までに4点を奪ったが、先発アルカンタラが六回2死走者なしから崩れ逆転を許した。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏が指摘した敗戦の中に見せた強さとは…。

  ◇  ◇

 阪神は交流戦開幕カードを1勝2敗と負け越しはしたが、ここまでセ・リーグトップという強さは十分に見せられたのではないだろうか。

 誰もが積極的にバットを出していくことで、得点力が高まり、安定した投手陣とのバランスの良さでここまで勝利を重ねてきた。

 しかし“ただ打つ”だけではないところに、実は阪神の強さがある。

 ロッテは佐々木朗、佐藤都といういずれも2年目の若いバッテリーで、攻撃する側から見れば付け入る隙は少なくなかった。「走るぞ」という姿を見せるだけで、バッテリーミスを呼び込むことができて、序盤の得点にもつながった。

 しかし、真骨頂は八回だ。バッテリーは唐川-江村。2点を追う阪神は無死一塁で代走に江越を送り、初球から盗塁を成功させた。

 結果として、この回、無得点に終わり、九回は益田に抑えられた。しかし、阪神ベンチは八回無死一塁、打者・佐藤輝の初球に盗塁のサインを出すことで、盗塁死のリスク、一発同点の期待感、双方がありながら「何とか1点」の作戦を選んだ。

 そのサインに江越は応え、もっと走れる植田、熊谷というベンチに控えていた選手の気持ちも高まったはずだ。

 たらればを言うなら、ここで1点取れていれば、益田のプレッシャーは数倍に膨らんでいただろう。さらに九回、植田、熊谷が代走出場すれば、さらに倍増していたはずだ。

 そこまで見越して江越に「初球、盗塁」のサインを出した阪神ベンチ。これは、こういう野球ができるようになった、チームの充実を象徴したものだ。負けてなお、強さを感じさせる場面だった。

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