阪神の若武者・西純矢に求めたい「あの姿」中田良弘氏の視点
21日からの広島対阪神3連戦が、新型コロナウイルス感染によりなくなった。阪神は、20日のヤクルト戦雨天中止もあり24日まで、5日間のブランクができる。
ただ、19日のヤクルト戦でルーキーの西純が初先発初勝利という、いい形で迎えるブランクだ。ローテ、リリーフとも疲れが見える主力投手陣のことを考えても、いい休養となるはずだ。
さて、その西純だが、序盤、制球に苦しむ姿があったのだが、全体として、制球重視の投球を心掛けていたように感じた。「勢いだけでは、プロで通用しない」という考えだろう。実際、四回あたりから変化球でもストライクが取れるようになり、能力の高さは見せたと思う。
ただ私は、西純にはもっともっと、荒々しい姿を期待していた。高校時代、甲子園で雄たけびを上げていた、あの姿だ。
コースを丁寧に突く、緻密な投球もいい。確かに、勢いだけでは打ち返されることもあるだろう。打者に向けての雄たけびに賛否があったことも知っている。しかし、「あの姿」があったから、西純はプロのスカウトの目に止まった。私も注目した。
躍動感を持って、打者に向かって行く。まだまだまとまりすぎず、ギラギラした若さを前面に押し出すようなピッチング。もともとそういうタイプであれば、プロの舞台でもできるはずだ。
それによって、阪神投手陣全体としても、いいアクセントとなる。自分のセールスポイントを存分に生かし、チームに刺激を与えられるようなピッチングを西純には望みたい。