岡田彰布氏 9イニング制導入で引き分け増…貯金を持ったチームが有利

 9イニング制が導入された今季は、引き分けで終わる試合が増えている。阪神、オリックスで監督を歴任したデイリースポーツ評論家・岡田彰布氏(63)は、球界の話題を深掘りする「岡田辞典」のコーナーで今後は貯金を持ったチームが有利に戦いを進められると解説した。

  ◇  ◇

 開幕から各チームの対戦が一回りしたんやけど、やっぱり引き分けが多くなったよな。今季は9イニング制でやるということを決めて、ある程度は予想できたことなんやけど。長いペナントレースを考えていく上では、やっぱり貯金を持って戦っているチームが有利になるやろな。

 それはペナントレースが勝率で優勝を決めるシステムやから。貯金を持っているチームにとって、負ければ勝率は下がるけど、引き分けなら試合前の勝率を維持できる。だから“勝ちに等しい引き分け”になるんよ。

 そしてこれだけ引き分けが多いと、最終的にはAチームの方が勝利数は多いけど、引き分け数の違いで、2勝少ないBチームが優勝してしまう可能性も十分にあるよ。

 一方でスタートダッシュに失敗したチームはちょっと苦しい戦いを強いられると思うな。借金を抱えたチームは、引き分けではアカンから勝ちにいかないといけない。何とか白星を手にしたいから、1点ビハインドのゲームでセットアッパーやクローザーを投入するケースが増えてくる。それで逆転できずに負けると、チームにダメージが残って後々に響いてくる。逆に貯金を持っているチームはそういう起用をしなくてすむから、ダメージを残すことなく戦っていけるんよ。

 データを見ても分かると思うけど、9イニング制だとなかなか逆転のゲームは起こりにくい。これも予想されとったことやけど、どのチームも先発が飛ばして、リリーフをつぎ込めるから、先行逃げ切りのゲームが非常に多くなるわな。

 実際にセ・リーグの首位に立つ阪神も先制した11試合は全部勝ってるわけやんか。先発投手が5回までしっかり頑張っているチームが、これからも勝ち星を伸ばしていくんとちゃうかな。

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