阪神・井上ヘッドコーチ ドラ1佐藤で相乗効果期待「激しく競争意識が高まる」
阪神の井上一樹新ヘッドコーチ(49)がこのほどインタビューに応じ、V奪回を狙う来季への意気込みを語った。同級生の巨人・元木ヘッドコーチへの対抗心も示した前回に続き、後編の今回は注目のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21)=近大=の加入効果を口にした。
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-昨秋は「右の大砲を育てる」と話していた。
「今年は大山が抜けたというか、来年もきっちり計算したい選手ですね。僕は今年、特に陽川を極力試合に使って、数字も残させたい気持ちがあったんですけど、途中でアクシデントもあって、試合数が少なかったということもあった。でも、また来年も『ポジションを与えるから頑張れよ』っていうわけにもいかない。これはまた競争になる。だけど、彼は今年ちょっと(1軍で)やれたことをステップとしてくれたら、楽しみなものが見えるのかなという期待はすごくあります。なので、他の選手より、必要以上にハードに(練習を)させようという気持ちです」
-巨人は坂本、岡本、丸と中軸がしっかりしているが、阪神は3番が固定できなかった。大山の脇を固める選手についての考えは。
「確かに今季は3番には苦労しました。できることなら、21年はオーダーを組む時に1番・近本、4番・大山、そして3番に誰々というように、1、3、4番は、スターティングメンバーの名前を書くところに印刷されているくらいの選手を、こちら側も作っていかないといけない。そうできるようになれば、またグッとチーム力が上がるような気がします。そこが(来季の)課題でしょう」
-ドラフト1位・佐藤輝のイメージは。
「体格よく、パワーもある。スピードもあるというのは聞いているので、楽しみではあります。ただ、今、阪神タイガースのユニホームを着ている先輩たちが、彼を見た時に、どういう相乗効果を生むのかっていうのが一番楽しみです」
(続けて)
「(今いる選手が)彼を見た時に『うかうかしていたら試合に出られねえ』というレベルなのか。それとも『メディアもすごいって言っていたけど、そんなことねえな』と思うのか。そこがすごく興味深いですね。ただ、あれだけの競合をした選手なのでものはいいでしょうし、阪神の宝として大きくなっていかなければいけない存在ではあります」
-今いる選手の起爆剤として期待したい。
「黙っていてもなるでしょう、起爆剤には。彼の存在が気にならない選手はいないでしょうから。ライバルの選手は彼が入って来ることによって、死活問題になってくるので。ものすごく敏感に反応すると思います。激しく競争意識が高まるのかなと思います」
-大学時代は内野を守っていた。佐藤輝の守備位置はどういうふうに考えているか。
「僕がこれを言っていいのか分からないけど、入団してきて『三塁を守ってよ』という形にはできないですよね。なぜなら今年、本塁打王争いをした大山がいるから。でも、彼が『僕は三塁にこだわります』って言うのであれば、もちろん競争はさせます。でも、試合に出るということを考えれば、たぶん彼はそっち(外野)を選択するんじゃないかなと思いますけどね。だから、こちらは外野も視野に入れながら、練習をさせていかなきゃいけないと思います」=おわり=