阪神・矢野監督 藤川との最後の一球に感極まる「俺に対してやってくれたのかな」

 セレモニーで藤川(左)の投球を受け、笑顔で駆け寄る矢野監督(撮影・高部洋祐)
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 「阪神0-4巨人」(10日、甲子園球場)

 今季限りで現役を引退する阪神・藤川球児投手(40)が九回、現役最後のマウンドに上がり、12球のオール直球勝負で三者凡退に抑えた。最後の姿を見ようと詰め掛けた2万1392の観客から大歓声がわき起こり、涙を流すファンの姿もあった。

 引退セレモニーでは最後に矢野監督が捕手となり、最後の一球を投じた。笑顔で投げたボールは山なりで、矢野監督のミットに吸い込まれた。

 阪神矢野監督はどんな思いでボールを受けたか問われると瞳は潤み、声を震わせた。「感謝の思いで。俺が勝手に思っているのは、俺が引退の時、俺が出られなかった。球児が打たれちゃって」と回想。「球児自身も最後、セレモニーっていうよりは俺に対する、俺に対してやってくれたのかなっていう。それが嬉しかったです」とうなずいた。

 藤川は引退あいさつで整列する仲間に視線をやり、「タイガース史上最高のキャッチャーで僕が世界で一番尊敬している矢野監督を日本一の監督にさせてあげましょう。選手やコーチのみなさん、あとはよろしくお願いします。もし、困った時はいつでも呼んでください。すぐに駆けつけます。」と言葉に力を込めた。

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