阪神ドラ1佐藤 有終V!大学ラストつかんだ関西No.1「プロでも味わってみたい」

 優勝を決め、ナインから胴上げされる近大・佐藤
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 「関西地区大学選手権・決勝、近大2ー1関西国際大」(8日、南港中央公園野球場)

 延長十一回の死闘を制し、有終の美を飾った。阪神からドラフト1位指名された佐藤輝明内野手(21)=近大=が関西国際大との決勝に「4番・三塁」で出場し、チームの優勝に貢献した。大学最後の大会で残した最高の結果を手土産にプロの世界に飛び込む。期待の大砲候補はタテジマのユニホームでも頂点を目指すことを誓った。

 2人目の走者がホームベースを踏むと、ベンチ最前列から一目散に駆けだした。満面に笑みを浮かべ、何度も跳びはねて喜びを爆発させた佐藤。この歓喜を味わいたかった。泣いても笑っても4年間を共にした仲間と戦える学生最後の大会でサヨナラ優勝。見事に有終の美を飾った。

 「勝てたこと、それが何より。ここで勝つためにやってきたので。いい形で終われて良かった。仲間に助けてもらった」

 試合は息詰まる投手戦だった。目の前に何度も訪れたチャンス。生かせなかったことは悔やまれるが、一丸となり戦い、勝利を手にしたうれしさがその気持ちを消し去った。

 初回、1死一、二塁で空振り三振。三回2死一、二塁では二ゴロに倒れた。絶好機は七回2死満塁。打席へ向かう前には田中監督から「打ったら最後になると思うからしっかり決めてこい」と声を掛けられた。しかし、左腕の外角スライダーにバットは空を斬り、決め切れなかった。

 自慢のパワーを見せつけたのは、先頭で迎えた六回だ。3ボールからの4球目、内角高めの直球をフルスイング。鋭い打球は一塁線を破る二塁打となり、チャンスメークした。結局、4打数1安打1四球。延長十回1死二、三塁で迎えた学生最後の打席は申告敬遠でバットを振らせてもらえなかった。

 三塁守備では軽快な動きを披露した。延長十一回2死一、三塁。三遊間へ放たれた打球に横っ跳びで反応した。捕球できなかったが、グラブに当てて適時内野安打とし、2点目を防いだ。他にも、体勢を崩しながらも一塁送球を見せるなど、高い身体能力を示した。

 試合後、表彰式やナインと写真を撮るなど、優勝の喜びに浸った佐藤。大学4年間で一番印象に残ったと話し、「プロという世界でも味わってみたいなと思います」とタテジマのユニホームでも優勝を誓った。

 ここからは、プロへ向けた準備を進める。思い描くのはこの日と同じ景色だ。「負けるよりも絶対勝った方がいい。自分が活躍してそこ(歓喜の輪)にいればいいかなと思います」と気持ちを高める。関西王者の勲章を手土産に、大学球界ナンバーワンのスラッガーが猛虎の一員となる。

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