阪神・藤川、次代の虎へ金言 マウンドは崖っぷち…その厳しさをバネに戦ってきた

 次代を担う若虎たちへ-。今季限りでの現役引退を表明した阪神・藤川球児投手(40)が2日、西宮市の鳴尾浜球場であいさつし、選手たちにプロで生き抜く心構えを説いた。藤川が自らの経験を伝え、熱い言葉を投げ掛けていたことを平田2軍監督が明かした。残りシーズンでの戦列復帰を目指す背番号22。復活の時を見据え、ブルペン内で黙々と調整を続けた。

 8時35分。汗を幾重にも染みこませ、鍛錬を重ねた鳴尾浜で藤川が2軍の選手たちへユニホームを脱ぐ意思を伝えた。約10分間にも及んで行われたあいさつ。選手たちへ伝えた言葉とは-。平田2軍監督は「優しい言葉なんか掛けてない」と説明し、その一端を明かした。

 「1軍の(プレーする)厳しい現状というか。球児は『(マウンドは)お山の大将と言うけど、あそこ(1軍のマウンド)は崖っぷちですよ』と。覚悟を決めて投げてきたやつの言葉だから若い選手、ここにいる選手たちはすごく球児の生きざま、やってきたことが響いたと思う。そんなに甘くないことをしっかり認識して…」

 長きにわたり、最も重圧がかかる甲子園のラストイニングを任せられてきたベテランだからこそ、説得力のある言葉が並ぶ。若虎たちも自然と表情が引き締まった。「『その厳しさをバネに戦ってきた』ということを言っていたね」と平田2軍監督。22年間、プロの矜持(きょうじ)を貫き続けた藤川。次代の虎を担う選手たちへ、そのスピリットを赤裸々に伝えた。

 残りシーズンは約2カ月。「必ず戻る」と闘志を燃やし、右上肢のコンディション不良からの再起を目指している。練習では小野を相手に約20分間のキャッチボールを行い、以降はブルペン内に移動し、ワインドアップ投法で調整を進めた。

 まだまだ情熱は冷え切っていない。平田2軍監督も「それが球児だよ。タイガースに対する愛情、プライド、生きざまを選手たちに見せる覚悟があるのよ」とその姿勢に感服している。

 練習後、藤川は「(何も言うことは)ないよ」と話し、球場を後にした。実力だけではなく、戦いに挑む姿勢こそが1軍の大きな戦力だった。投げ掛けた熱いメッセージは間違いなく、選手たちの心に響いたはずだ。

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