阪神・西勇 みそぎの完投星!チームのため家族のため「絶対投げ切る」気合の125球

 試合後、ファンに深々と頭を下げる西勇
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 「阪神8-3中日」(18日、甲子園球場)

 最高の“男気”を見せてもろたで!!阪神はエース・西勇輝投手(29)が9回3失点、125球の完投勝利で5カード連続の勝ち越しを決めた。登板前に週刊誌で不倫騒動が報じられる中、懸命のピッチングで最後までマウンドを守り、お立ち台でファンに“謝罪”。聖地の虎党は大歓声と温かい拍手で右腕の奮闘をたたえた。借金も「1」に減り、きょう19日の中日戦で今季初の勝率5割を目指す。

 トレードマークの笑顔は最後まで封印した。「あと1球」コールが響く甲子園。九回、2死一塁。今季最多の125球目で試合を締めると、西勇は後ろを向いて激しく右拳を握る。チーム一番乗りの9回完投勝利には、贖罪(しょくざい)の思いを込めた。お立ち台に上がり、重い口を開く。

 「まずはこの度、自分のプライベートなことで大変、大事な時期にたくさんの皆さまに迷惑を掛けて、申し訳ありませんでした」

 16日発売の「週刊文春」で、ホテル密会不倫が報じられて以降、初となるマウンド。エースは不退転の覚悟で臨んだ。「家を出る時、絶対に投げ切ると決めて来た。なんとか有言実行できてよかったです」。初回から福田、ビシエドを連続三振に斬るなど、気迫の投球で波にも乗った。

 最大のピンチは五回。連打で無死一、三塁を背負うと、絶体絶命の場面でギアを上げた。打席にはルーキーの石川昂。外野フライ、併殺でも1点の場面で強気に懐を攻める。シュートを2球続け、浅い遊飛に打ち取った。

 勝敗を分けた対決。開幕直前、巨人打線で最も警戒したのは、対戦経験のない湯浅だった。「データがない子は怖い。打たれるとチームも乗せてしまう」。結果的に対戦こそなかったが、常に細心の注意を払って臨む。その上で大切にするのはマウンドでの感性だ。

 「例えば、調子がいい打者と言われていても、対戦をしてないから一概には言えない。戦って相手の本当の情報と、目と体で感じた感覚を大事にしたい」

 石川昂と初対戦となった二回、シュートで三ゴロ併殺に仕留めた。ここで得た感性を手に、五回も同球で封じる。続く加藤を空振り三振に斬ると、最後は代打・遠藤を二ゴロに打ち取った。最大のピンチを完璧に封じたことで、直後に味方が一挙6得点。流れを呼び、大量援護を生んだ。

 「今後はプレーで返すことが大事。しっかり頑張っていきます」

 六回、4安打を浴びて3点を失う。少し足を気にしてフラつく場面もあったが、ベンチを出ようとするコーチを制して続投。甲子園ではプロ初の完投勝利だ。チームを今季2度目の3連勝に導き、5カード連続の勝ち越しを決めた。最大8あった借金は完済まであと1。謝罪と反省の2勝目を手に、エースは決意の再スタートを切る。

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