近本はバスターではなくシンプルにヒットを狙うべき 金本氏が阪神打線へメッセージ

 デイリースポーツ評論家の金本知憲氏(52)が、2日にナゴヤドームで行われた中日戦の九回、2点を追った無死一、二塁の状況からバスターで遊飛に倒れた近本光司外野手(25)の打席をクローズアップした。2球連続で送りバントに失敗し、ベンチのサインが“打て”に切り替わったところでヒットを狙うべきと解説。打線の状態が上がってこないチームに対しては、有効なアウトを積み重ねて現状を打開することを願った。

  ◇  ◇

 2日の中日戦で気になるポイントがあった。2点を追った九回、無死一、二塁から近本が2球連続で送りバントを失敗した。この時点でベンチのサインは“打て”に切り替わったと思うが、打席の近本はバスターの構えを採った。

 2点差の無死一、二塁で送りバントに失敗したのであれば、もうヒットを打つしかない。仮に1点差であれば右方向へゴロを転がし、併殺崩れの一、三塁を狙ってもいいが、一打同点の1死二、三塁を作るのは非常に難しい。だからシンプルに走者をかえすことがベストだ。

 マウンドのR・マルティネスは150キロ台中盤のストレートを持つピッチャー。バントの構えからバットを引いて打つのであれば、差し込まれる可能性が非常に高い。

 近本は3球目、バスターの構えから153キロ直球を見送ってカウント1-2。4球目も再びバスターを敢行し、結果は134キロのチェンジアップに泳がされてのショートフライに終わり、走者を進められなかった。

 まだカウント0-2からの3球目にバスターであれば、相手はスリーバントなのか、打ってくるのか、探りで一塁手が前に守ってくる可能性はあるからまだ分かるが、4球目となれば、最初にバントの構えをしても相手の守備陣は間違いなく打ってくる可能性が高いと考える。中日側はおそらくその時点で、スリーバントの可能性を消していたと思う。

 だからヒットを打つには、普通に構えてからスイングすることが最も高確率。しかも相手は速球派投手。バスターだと立ち遅れて逆方向へのフライになるケース、もしくはタイミングを狂わされるケースが多い。

 現役を引退して評論家を務めていた時にも言ったが、俊介や大和も送りバントを2度ファウルした後に、打てのサインに切り替わっても、なおもバスターでというケースは非常に多かった。まだ近本も2年目で経験が少ないから、そういう点はベンチが教えていくべきだし、本人も学んでいってほしい。

 今は打線が苦しい時期だと思う。その中で得点を奪うには、最低限の積み重ねと言うか、“有効なアウト”を増やさないといけない。現役時代、走者がいる場面では「最低でもこの状況を作る」と頭の中を整理して、考えて打席に入っていた。

 監督時代もそれを口酸っぱく言ってきたが…それを実行するにはバッターの技術も必要。開幕からここまでを見ていると、“打つのが精いっぱい”という印象を受ける。まだ開幕から12試合。そういう考え方や技術を一つ、一つ、身に付けてほしい。

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