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【名勝負列伝 1】新庄劇場 敬遠球サヨナラ打!延長十二回4時間41分の激闘にケリ

 阪神タイガースは今年、球団創設85周年を迎えた。球団史を彩る名勝負を、当時のデイリースポーツ紙面と共に振り返る新企画「球団創設85周年 名勝負列伝」(随時掲載)をスタートさせる。第1回は1999年6月12日の巨人戦(甲子園)での「新庄、敬遠球をサヨナラ打」を取り上げる。

  ◇  ◇

 この日はまさに“新庄ショー”だった。3年ぶりとなる4番で先発出場。まずは2点を追う二回の『暴走』だ。右前打で出塁すると、ジョンソンの左翼線に落ちる一打で、一塁から福本三塁ベースコーチの制止を振り切って本塁へ突入したが、タッチアウトになった。

 挽回は1点ビハインドで迎えた八回の『一発』。1死から左翼席最前列へ9号同点ソロ。試合を振り出しに戻した。

 そして、運命の延長十二回を迎える。4-4で迎えたその回の表には野手を使い果たしていたため、初体験となる二塁の守備にも就いた。無失点で切り抜けて迎えた攻撃。1死一、三塁で新庄に打席が回ってきた。

 巨人バッテリーの槙原-光山は、すでに3安打を放っていた4番に対して敬遠策を選択した。1ボールからの2球目。外しが甘かった外角球に、新庄が左足を大きく踏み出してバットを振った。打球は遊撃・二岡の左横を抜けて左前へ。三走・坪井が両手をたたきながら生還。球史に残る『悪球打ち』で、4時間41分の激闘にケリをつけた。

 『猛虎サヨナラ』の見出しが躍った翌日のデイリースポーツには『まさに独り舞台』の文字も。「ショートがセカンドベースにくっついていたんで、ゴロを打てば抜けると思った」という新庄のコメントを掲載している。

 実は3日前の広島戦に伏線があった。その試合で敬遠された新庄が柏原打撃コーチに「敬遠の球って打っていいんですか?」と質問。同コーチは「俺はホームランしたことがある(当時日本ハム、81年7月19日の西武戦で記録)」と返答した。その後、敬遠球を打つ練習をしていた新庄は、ここぞとばかりに狙っていたのだった。

 この一打で阪神は首位を守り、お立ち台で新庄は「明日も勝つ!」と宣言した。だが、翌日は敗戦。その後、順位を下げて野村政権1年目は最下位に終わった。申告敬遠制が導入された今、もうこんなシーンが生まれることはないだろう。

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