阪神・球児 藤浪を全力サポート 1球ごとに愛ある声掛け

 藤川(右)はブルペン投球後の藤浪にアドバイスを送る
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 「阪神春季キャンプ」(5日、宜野座)

 阪神の藤川球児投手(39)が5日、藤浪晋太郎投手(25)に投球のアドバイスを送った。一日キャプテンを務めたベテランは、ブルペンでの投球準備をしていた藤浪のキャッチボール相手を務め、1球ごとに声を掛けた。その後はブルペンでも投球を見つめ、後輩の完全復活へ背中を押した。

 室内練習場に乾いた捕球音と、明るい声が響いた。藤浪が全力に近い腕の振りでボールを投げ込む。その約20メートル先では藤川が中腰で捕球を繰り返した。普段は見ることがない2人だけの濃密な時間は5分以上に及んだ。

 藤川は気持ちを乗せるように1球ごとに声をかける。藤浪も何度もうなずいた。

 「OK、(腕を)振り抜けてるやん!」

 「きれいに(体重が)乗ってる!」

 「それなら、いくら投げても大丈夫やわ」

 「強い!ボールがこっちに(真っすぐ)伸びてきてるから大丈夫。(体が)横にブレてないから」

 藤川は最後の1球を座って捕球。「ラインだけ出てたら十分!」。藤浪の元へ歩み寄り、グータッチでブルペンへと送り出した。ブルペンでも後輩の投球を捕手後方のネット越しから見つめた。

 藤川は「それはコーチじゃないから」と選手という立場をわきまえて、助言した意図を語らなかった。

 ただ、藤川はプロ入り後の苦しい時期を乗り越えて、一流選手へと駆け上がった過去がある。藤浪は1年目から3年連続2桁勝利を挙げた後、成績は下降。19年はプロ入り初の0勝に終わった。後輩がはい上がろうとする姿は、若い頃の自分と重なった部分があったのかもしれない。

 藤浪は先輩の心遣いと助言に感謝。新たなヒントもつかんだ様子だった。

 「4スタンス(理論)でいうと、僕と球児さんは同じタイプなので、どういう意識で投げてるとか話をしてもらった。面白い話もたくさんありましたし。いいイメージ、いい感覚が出せるような感じもあったので、すごく参考になりました」

 4日のシート打撃では打者5人に2安打2失点しながらも、最速154キロを記録し「及第点」と手応えを口にしていた。その翌日に背中を押してくれた守護神の言葉。復活の過程に新しい光が差し込んだ。

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