西「恩返し」星や!何度でもよみがえった勇姿もう一度 左足親指負傷も大丈夫

 「セCSファイナルS・第4戦、巨人-阪神」(13日、東京ドーム)

 阪神の西勇輝投手(28)が順延された13日のCSファイナルS・第4戦に先発する。5日のCSファーストS・DeNA戦で初回に打球を受け、左足親指の爪を負傷した右腕。患部の状態が懸念されたが、順調な回復ぶりで決戦のマウンドに向かうこととなった。誓ったのは仲間たちへの恩返し。チームメートへの思いを胸に腕を振る。

 一つも負けられない状況とは裏腹に、西の表情は明るかった。シーズンとはひと味違う決戦を前に、胸が高ぶる。一時は遠のいた、ファイナルSの登板。後がなかった11日の第3戦にチームは勝利した。手負いの状況から「痛みは本当に、ないに等しいぐらいまでいけた」と話すほど回復し、巡ってきた自身のマウンド。何をすべきかは言われなくても分かっている。

 ファイナルSの初戦は望月、2戦目は中2日の“強行軍”で高橋遥が先発。若手投手、中継ぎ陣に負担を掛けたという自責の念が、西の心にある。だからこそ「しっかり『恩返し』じゃないですけど、少しでも楽にさせられるように、気合を入れていきたいと思います」。投げられなかったもどかしさは、敵地のマウンドで晴らすだけだ。

 5日のCSファーストS第1戦で初回に打球を受け、1死も取れず降板した。「一番体重のかかる部分」という左足親指の爪を負傷し、ファーストS突破直後はファイナルSでの登板が危惧された。

 だが10日の試合前練習でブルペン入りすると、日を追うごとに調整の段階を上げていった。台風の影響で、12日に予定されていた第4戦は13日に順延された。患部の状態からも、登板が1日延びたことは右腕にとってプラスに働く。

 首脳陣の期待も大きい。「また楽しみやね。西がどういう顔で投げてくれるか。笑顔は伝染するんで」と矢野監督。明るい表情を絶やさない右腕のマウンドさばきに託す。

 巨人に王手をかけられ、追い詰められた状況に変わりはない。それでも西は「切羽詰まった状況で、どれだけできるかというのも、シーズン後半でチームが体現してきたこと」と今季終盤に6連勝した底力を信じている。崖っぷちからの巻き返しへ。チームの下克上に、身をささげる。

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