大腸がん手術の原口1号 公式戦332日ぶり弾で消沈の虎に喝入れた

5回、代打で2ランを放つ原口(撮影・飯室逸平)
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 「広島10-5阪神」(4日、マツダスタジアム)

 どんな状況下であっても決してあきらめない。阪神・原口が意地の2ランでチームに戦う姿勢を示した。7点ビハインドの五回2死一塁から代打で登場。広島・先発の九里が投じた初球を完璧に捉えた打球は、右翼ポール際の最前列へ飛び込んだ。

 オールスターでは2本の本塁打を放った原口だが、シーズンでは今季1号だ。昨年9月6日の広島戦(マツダ)で代打で放って以来、332日ぶりとなる通算20本目の本塁打。すなわちそれは1月に大腸がんの手術を受け、6月に1軍昇格後、出場26試合目、53打席目で待望の一発でもあった。

 一矢報いる形の一撃にも、試合が大敗に終わったとあって原口の表情に笑みはない。「自分のタイミングでしっかりスイングすることだけを考えていた」。3年ぶり、自身2本目となる右方向への本塁打を振り返った後、「いつも通り試合の展開を見ながら準備はしていましたからね」とうなずいた。

 その言葉通り、決して準備を怠ることはない。7月28日の巨人戦に代打で出場したのを最後に出番がなかった。それでもこの日の試合前には猛暑の中で防具とマスクを着用し、汗だくになりながら藤井バッテリーコーチと捕球や送球など捕手の練習に取り組む姿があった。

 「体調と相談しながらだけど、できる時にやっておこうと。守備はレベルアップしていかないといけないですからね」と藤井コーチ。七回の打席でも左前打を放ち、マルチ安打を記録した原口だが、「点を取った直後(の六回)に追加点を取られたことが個人的に大きいですね」。五回の守備から就いた捕手として反省を口にした。

 あきらめない気持ち、そして準備と向上心。原口は常に前を向きながら、日々を過ごしていく。

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