藤浪に大声援 299日ぶり1軍登板 8四死球薄氷1失点でも

 4回、汗を飛ばしながら力投する藤浪
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 「阪神3-2中日」(1日、甲子園球場)

 甲子園球場のスタンドは、拍手で阪神の藤浪の粘投をたたえた。半信半疑の歓声を、大声援にまで変えた102球。「少しびっくりしました」という今季初、299日ぶり1軍登板は、4回1/3を4安打1失点、8四死球と苦しんだ。聖地生誕95周年。申し子の帰りを、多くのファンが歓迎した。

 「すごい歓声をいただいた。結果で恩返しがしたかったですが、制御しきれない部分もあった。もうひと粘り、ふた粘りだった」

 初回からピンチの連続だった。先頭平田に四球を与えると、5者連続でフルカウントの攻防。続く大島、アルモンテは抑えたが、ビシエド、阿部に四球を与えて満塁とした。「やってやろうという気持ちが強すぎた。もう少し冷静に入れたら…」。それでも最後は堂上を空振り三振に。36球を要しながら、ホームだけは阻止した。

 しのいで戻るベンチ前、ナインのねぎらいに笑みが浮かぶ。「いい表情で」が、矢野監督と約束したテーマ。だが、試練は続く。二回は四球と死球で無死一、二塁。毎回、走者を置きながら粘ったが、五回だ。大島に与えた四球から、アルモンテの中前打で一、三塁。続くビシエドの左犠飛で先制点を失った。

 さらに、阿部にフルカウントから四球を与えて102球。ベンチから矢野監督が出て、無念の途中降板が告げられた。天を仰ぎ、悔しげな藤浪。笑顔あり、渋面もあった。喜怒哀楽を前面に出しながら、全力で打者に向かった。306日ぶりの勝利、826日ぶりの甲子園星は逃した。それでも降板時、スタンドから注がれた大きな拍手が、藤浪が前を向ける理由にもなった。

 「次回こそ声援に応えられるよう頑張ります」。プロ7年目で初めて開幕を2軍で迎え、5カ月の空白を経てたどり着いた場所だ。今後は登録を外れ、再昇格のチャンスを待つ。栄光を手にし、挫折を味わった甲子園。注がれた声援の拍手を、次は結果に変えたい。節目の1日から、藤浪の2019年が始まる。

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