球児が帰ってきた!3者連続空振りK 150キロ満点快投!

 8回、中日打線を3者連続三振に仕留める藤川
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 「中日5-4阪神」(27日、ナゴヤドーム)

 阪神の連勝は3で止まった。初回に3点を先制しながら逆転負けを喫した。重苦しいムードの中、八回から藤川球児投手(38)が1軍復帰登板。いきなり3者連続空振り三振を奪う“満点快投”だ。苦しい戦いが続く中、頼りになるレジェンド右腕が帰ってきた。

 百戦錬磨のベテランが、華麗に1軍マウンドへと舞い戻った。「ピッチャー・藤川」のコールを耳にしながら、藤川がナゴヤドームの中心に立つ。久々に味わう独特の緊張感を肌で感じ、五感を研ぎ澄ませながら竜打線に立ち向かう。藤川が1軍復帰登板で3者連続三振。貫禄たっぷりの投球で相手のスコアボードに0を刻んだ。

 丹念に足場をならし、打者との間合いを確認する。球児の“ショータイム”が幕を開けた。先頭の井領に初球から4球続けて直球を投げ込んだ。2球目はボールになったものの150キロを計測。最後はカウント2-2から150キロの内角ストレートで空振り三振に仕留めた。

 続く加藤もカウント2-2から135キロの低めフォークでバットに空を切らせると、代打・福田も5球目のフォークで空振り三振に仕留めた。時折クイック気味の投球も見せ、ベテランらしい硬軟織り交ぜた投球で、3者連続三振にねじ伏せた。「どの打者でも、目の前の打者を抑えることに集中してやると決めたので」。38歳の右腕は涼しげな表情で15球を振り返った。

 6日の広島戦(マツダスタジアム)で1イニング2被弾し、7日に登録を抹消された。鳴尾浜での調整初日の9日、藤川は「まずは1軍のゲームがあるので、しっかり応援して」と話した。自身よりチーム第一のスタイルは変わらない。大腸がんからの復活を目指す原口とキャッチボールを行った日もあった。遠投で投げる距離が長くなると「無理せんでええよ」と思いやった。

 23日のウエスタン・ソフトバンク戦(鳴尾浜)で2軍降格後初登板し、1回無失点。復調気配を漂わせ、“戻るべき場所”に戻ってきた。矢野監督も「九回いけるかな、という流れを作ってくれた。チームのムードというか、そういうところでのプラス材料。素晴らしいピッチング」と賛辞を惜しまない。

 「まだシーズンは長い。使いやすい駒になれるように、頑張っていきたい」と藤川。虎が誇る自慢のブルペン陣に、欠かせない男が帰ってきた。

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