秋山、術後初先発で2回1安打無失点 矢野監督視察「もちろん」開幕ローテ候補

 「プロアマ交流戦、阪神5-5奈良学園大」(6日、鳴尾浜球場)

 右膝手術からの復活を目指す阪神の秋山拓巳投手(27)が6日、奈良学園大とのプロアマ交流戦(鳴尾浜)に術後初めて先発した。2回1安打無失点で、直球の最速は140キロをマーク。視察に訪れた矢野燿大監督(50)は、順調な回復ぶりに開幕ローテ候補の一人であることを明言した。17年に12勝を挙げた右腕が、シーズンに向けてギアを上げていく。

 完全復活への序章が幕を開けた。一歩ずつ、着実に前進している事実を、25球の投球でしっかりと示した。「問題なく投げることができました」。術後初めて先発マウンドに上がった秋山が、打者6人との対戦を終えて一定の手応えを伝えた。

 久々に踏みしめる真っさらなマウンドに「緊張しました」と苦笑い。「準備、ゲームの入りも、先発の流れで入れた」と試合への臨み方に関しては、自身の感覚に違和感がなかったことに明るい表情を浮かべ、自らの持ち場に戻ってきたことに実感がこもった。

 初回はわずか4球で2死を奪い、3番打者にはカウント1-2から低めの変化球でバットに空を切らせる上々の立ち上がり。二回は先頭打者に安打を許したものの、落ち着いて後続を退けた。格下相手とはいえ、テンポ良くストライクゾーンに投げ込み、力強いボールで打者を押し込むピッチングが光った。

 2回無失点の結果に「カットボール(の曲がり)を小さくしようとしていて、それが詰まってくれた」と振り返りつつ「(それが)プロになってどうなるか」と冷静な視点も加えた。総合的には「逆球も何球かあったけど、それ以外はまずまず」と及第点のジャッジだ。

 視察した矢野監督は開幕ローテ候補かと問われ「もちろん、もちろん。入ってる。多分そこに行きたいぐらいの気持ちは、持っているんじゃないかな」と右腕の気持ちを推測した。

 17年に12勝を挙げたものの、昨年は5勝10敗と苦悩の1年だった。次回は12日の教育リーグ、ウエスタン・広島戦(由宇)で3イニング以上を投げる予定。矢野監督の視察に「見に来てもらうことはモチベーションが上がる。焦らずやりたい」と右腕。1軍マウンドという名の“戻るべき場所”を視界に捉え、秋山は戦い続ける。

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