北條がキャンプMVP!開幕ショート1番手 矢野監督「抜けている」

 「阪神春季キャンプ」(27日、宜野座)

 阪神の矢野燿大監督監督(50)は27日、MVPに北條史也内野手(24)を挙げ、注目の遊撃レギュラー争いで「抜けている」と一歩リードしていることを明かした。実戦8試合を打率・524で終えた今キャンプのチーム“首位打者”は「これからが勝負」と気を緩めることなく、開幕までの1カ月を過ごしていくことを誓った。

 ベテラン・鳥谷の参戦で注目度が増した矢野阪神の正遊撃手争いで、北條が一歩抜け出した。「メンタル的にさらに成長して、それに伴って結果と内容が素晴らしかった。現状では抜けているというか、上に来ていると思う」。矢野監督が1カ月にわたった春季キャンプのMVPに選出し、現時点で開幕遊撃の最有力候補となっていることを明かした。

 北條は昨年9月に左肩を亜脱臼し、戦線を離脱。リハビリを経て迎えた今キャンプの実戦8試合で、打率・524をマークした。その好成績の背景には、まず指揮官が掲げた“自主性”がある。「今までは言われたことをやって数をこなしてきた。今年は自分でしっかり考えて練習して追い込むことができ、実戦でもやることができた」と胸を張る。

 技術的な向上もあった。構えの段階は上半身の力を抜き、インパクトの瞬間だけ力を入れる。昨年の2軍生活時に、矢野監督の進言でフルスイングを捨て“脱力打法”に変更。さらに逆方向への打撃も意識した練習を今キャンプでも積んできた。「自分の形で打てていると感じる」と確かな手応えを口にする。

 充実のキャンプを終えたが、開幕までは、まだ1カ月ある。「これからが本番。シーズンでダメだったら意味がない」。その言葉の裏には、2年前の苦い記憶がある。17年の春季キャンプでも、当時の金本監督がMVPに選出。だが、83試合に出場したシーズンでは、打率・210と低迷した。

 「当時はまだ甘い部分がいっぱいあった。まずは開幕スタメンが目標。ライバルの人たちに結果で負けないように、最後まで頑張っていきたい」。有言実行で、この先も続く激しい遊撃争いに決着をつける。

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