原口、神様打!不屈の球団記録 代打23安打 

 「阪神1-6中日」(5日、甲子園球場)

 CS進出の望みが完全に消えても、3万4441人のファンが足を運んでくれた。その期待に応えるように阪神・原口文仁捕手(26)が八回、2008年・桧山進次郎に並ぶ球団タイ記録の23本目のシーズン代打安打。5連敗で球団ワーストタイとなる甲子園でのシーズン38敗目を喫したが、残り試合も全力を尽くしていく。

 左手はテーピングでグルグル巻きにされた。その上に衝撃を吸収するサポーター。原口は一打席…いや、一振りに懸けた。去る先輩、ファンの思いを乗せた白球が中前で弾む。空席目立つスタンドから、この日一番の歓声が注がれた。代打23安打目。桧山氏が持つ球団記録に肩を並べた。

 代打・原口のコールにスタンドは沸きに沸いた。出番は6点差の八回。大勢が決まった展開でも、集中力は極限にあった。「(歓声は)そんなに聞こえなかった」。マウンドの笠原だけを見た。骨折した左手は当然、痛みが残る。初球、外角高め。見送ればボール球をフルスイングした。

 絶望的だった左手第5中手骨骨折から、驚異的な回復力で再昇格を決めた。代わりに抹消されたのが、1日に戦力外通告を受けた西岡だ。「記録がかかっています。原口の記録を優先してほしい」。金本監督に直訴した入れ替えだと知った。記録を待つファンがいる。思いを託された先輩がいた。痛みを押して打席に立ち、フルスイングする理由がある。

 「僕も朝、知りました。あんなすごい方が…。ありがたい。その中で立たせてもらった打席。1本でも多く打ちたいと思います」

 記録到達の背景に「捕手・原口」で戦った1年がある。野球人生の分岐点でもあった。昨オフ。退路を断って再コンバートを直訴。猛練習に加え、試合前にスコアラー室に入って、相手チームの配球を予習。試合が終われば復習が日課だ。捕手としてデータ収集がメイン。だが、その姿勢が打者にも生きる。球団スタッフが明かす。

 「相手投手のカウント別の特徴、球種の傾向。コースの比重。すべて頭に入っている。彼の姿を見ていると、準備の大切さを思う」

 代打打率は驚異の・442。冷静と情熱のあいだで生まれた球団記録だ。「試合は残り少ないですが、最後の最後まで勝って喜んでもらいたいので。その戦力になれるよう、準備したいと思います」。余韻に浸ることなく、24安打目を見据えた。残り6試合。たとえ消化試合でも原口の戦いはまだ、終わらない。

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