矢野2軍監督インタビュー 望月は1軍という舞台で変わった 板山はもっと打てる

 前半戦を首位で折り返した阪神2軍。16日からの後半戦も、2位・ソフトバンクとの4連戦を勝ち越し、首位をキープする。チーム盗塁数も伸ばし、このままならウエスタン・リーグのシーズン記録を更新する勢い。前半戦を総括しながら現在1軍のロサリオ、北條、陽川が2軍で過ごした日々や、後半戦への意気込みを矢野燿大2軍監督(49)が語った。

  ◇  ◇

 -ロサリオが約1カ月半の2軍暮らし。どんな指導を。

 「アイツ自身も韓国で2軍に落ちるというのも経験しているし、初めてのことじゃないしね。爆発力はウチの中ではすごくあるから。アイツが打ち出して明るいムードもプラスされれば、チームがすごく大きな波に乗れる可能性を持った選手だから。そういう部分では、はじめ落ちてきた時はリフレッシュと、これからやっていく打撃の方向性を確認していこうと。メンタル的にはいい意味で『楽しむ』というすごく難しいことなんだけど。あとは、バッティングはセンターから打つというのは、2軍では徹底してできたから」

 -陽川や北條も2軍で過ごしていた。

 「レギュラーを取れそうな時に取らないと、本当に取れないのよ。北條だって(2年前に)一回取りかけたじゃん。北條も怠けたとかはなく、一生懸命やって取れなかったんだけど。春先からしたら北條も1軍の枠から外れかけていて、そこでまた自分でつかみ取った。ここからレギュラーになるには、もう一個さらに(上に)行かないといけない。そういうところで、2軍で一緒にやっていても、アイツの練習に対する姿勢もそうやし、北條のバッティングは『こういうふうにしていくことがお前のプロ野球人生の中で生きていく形になるんじゃないか』と。基本的には引っ張って本塁打を打って4打数1安打のバッターじゃ、レギュラーにはなれない。やっぱり追い込まれても何とかライト前に打ったり、1日に2本打ったりしていって、レギュラーになっていくタイプだから。2軍でもそれを徹底してやって。前より思いは強いと思う。一回逃しているから頑張るしかないし。でも、俺らはまた、北條のライバルを作っていかないといけないからね。『北條、頑張れ』っていう気持ちはすごくあるけど、陽川も2軍で走ることも頑張っていた。4番という重責やけど、それも自分でつかんだものだから」

 -投手では望月が2軍にいた。

 「1軍という舞台で変わるというのは、モッチー(望月)で勉強したし、(2軍で)先発でやっている時と、今みたいに短いイニングで投げるというところで。こっちではずっと先発だったから、もしかしたら中継ぎがすごく合っているのかもしれない。1軍という舞台が成長を促している部分もある。あとはメンタルの部分を言ったんだけどね。すごく精神的に大人だし、やることは誰かが見ていなくてもやるけど、形とかフォームばかり気にしているように見えたから。『打てるものなら打ってみろ』という気持ちが大事なんじゃないかということを言った。将来本当に楽しみなピッチャーだし、先発ならエース候補、後ろならクローザーも十分に狙える」

 -次の1軍昇格候補は。

 「森越も、結果もそれなりに残しているし、今の上(1軍)の人数でとなると難しさは出てくるけど、何が起こるか分からない。1軍でケガとか、チームとしては困るし、いいことじゃないんだけど、森越にとってはそういうのも一つのチャンスだし。板山もショートをやったり、いろんなポジションをやったりチャレンジしている。本塁打(19日・ソフトバンク戦で2発)も、もっともっと打てるしまだまだ発展途上だから。1軍を経験することでさらに伸びる可能性もあるし楽しみ。(そこには江越や高山も?)もちろんもちろん。チーム内の競争が激しくなっている。今までなら誰を(1軍に)上げる?となれば、候補がそんなにいなかった気もするんだけど。今は1軍の試合に出るのも大変だし、上がるのも大変だし。誰を上げる?ってなった時に、アイツもコイツもみたいな感じになってきている」

 -まさに競争激化。

 「代わって出るぐらいその差がなくなっている部分もあるし、レギュラーになろうと思ったら、もう頭1個抜けないといけない。誰が出てもおかしくないレベルまで全体として上がりつつある。若い投手も出てきているし、それが2軍にとって大事な部分。(先述したように)ライバルをバンバン作って、それが強いチームに変わっていける大きな部分やから」

 -前半戦総括を。

 「ある意味出来過ぎな部分もあるし、でも当たり前というか。これぐらいはやるんじゃないかというのと、両方あるんだけど。走塁に関しては『こんなになるんや』って正直ビックリした。ファームは勝つことがメインではないけど、勝てる試合をしていた方がいい意味で緊迫感もあるし、選手も悔しさとかうれしい気持ちも出るから」

 -このままなら13年ソフトバンクのシーズン156個を上回る。

 「そこは結果やから、今のまま行けば超せるかもしれないし。頭のどこかにないことはないけど、一番は『準備力』を上げてもらうことだから。そこは俺らもしっかり伝えて。その結果それを超えるのがベストやね」

 -そういう意味では当たり前にできることの基準が上がった?

 「走らないと思ってるヤツが一歩でもリード出ようとか、隙あれば走ってやろうとかできているから。俺はそこを一番したかったのよ。選手の可能性を広げる。1軍に行った時にそういう気持ちで野球をやっていれば、次の塁を狙える選手になったり。出た結果に対して後悔が少ないというか。初球打ちに行く準備をして打てなければ練習したらいいんだから。そういうところが出来ているかなと」

 -後半戦最初の4連戦(ソフトバンク戦)で勝ち越して2位にゲーム差を広げた。残りの後半戦への意気込みを。

 「優勝とか、盗塁の記録とか、それは結果やから。ただ、今やっている積極性と小さなプレーを大事にするとか、投手なら向かっていく気持ちとか。そういうのを出して行ってくれたら、最後にいい結果が出ているように思うし、さらにチームとしても個人としてもレベルを上げていくのが後半の目標でもあるから。それができたら全部付いてくると思うから」

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