糸原「すごく楽しかった」 四回守備から念願の初出場 青木から太鼓判も
「マイナビオールスターゲーム・第1戦、全パ7-6全セ」(13日、京セラドーム大阪)
物おじなどなかった。そうそうたるメンバーは生きる教材ばかり。「すごく楽しかったです」。初めての夢舞台。阪神・糸原は充実感たっぷりに振り返った。
四回の守備から、宮崎に代わって三塁で念願の初出場。無死からいきなり2つの三ゴロをさばくと、計5つのゴロを確実に処理。六回2死一塁の初打席は宮西に三ゴロ、九回無死も増井に一ゴロに打ち取られたが、いずれも鋭い当たりだった。
「しっかり覚えてもらえるように。いろんな選手からいろんなことを聞きたい」と話した通りに動いた。アップ中は山田哲、坂本勇らの輪に。青木とは同僚の西岡と3人で食事をしたことがあり、1対1で話し込んだ。貪欲な姿勢に青木も「『教えてください』って言うから。打ってるから変えない方がいいよって言ったよ」と太鼓判を押した。
試合前には島根・開星時代の野球部監督、野々村直通氏から「手考足思(しゅこうそくし)」としたためられた色紙が届いた。陶芸家・河井寛次郎の言葉で『頭だけでなく、手を動かして考え、足で歩いて思う』という趣旨。恩師が願う“野球道”をしっかりと実践した。
関西の大歓声を受け「最高はヒットを打ちたかったけど、明日また頑張ります」と意気込んだ糸原。若虎がすべてを糧に変える経験は、もう1試合残っている。