陽川、最下位も連敗も脱出弾!落球から打ち直したぁ 九回ダメ押し打で全4打点

 「DeNA0-4阪神」(26日、横浜スタジアム)

 頭上を覆っていた黒雲を振り払った。阪神・陽川尚将内野手(26)が七回、均衡を破る決勝の2号3ラン。九回にもダメ押しの適時二塁打を放ち、チームの全得点をたたき出す今季2度目の1試合4打点。1分けを挟んだチームの連敗を5で止め、最下位脱出に貢献した。

 一度は失いかけたチャンス。陽川は死に物狂いでつかみにいった。155キロ直球を捉えた打球が、横浜の夜空にアーチを描く。雌伏の時を経て“鳴尾浜のゴジラ”が覚醒した。

 緊迫した投手戦。0-0で迎えた七回1死一、三塁。5球目の155キロ直球に詰まらされ、一塁ファウルゾーンに飛球を打ち上げた。万事休すと思われたが、一塁・中川大が落球。6球目。高めの155キロ直球を見逃さなかった。

 引き分けを挟んだチームの連敗を5で止める値千金の中越え2号3ラン。「一回、ファウルでアウトだったんですけど、もう一回チャンスが回ってきた」。九回には二盗を決めた糸井を二塁に置き、左中間適時二塁打で今季2度目となる1試合4打点目をたたき出した。

 試合前、金本監督から「『威張っていけ』」と助言を受けた。この一言が陽川を奮い立たせた。「そういう気持ちを持ちながら。打席の中では冷静に」。最高の結果で応えてみせた。

 昨年10月17日、DeNAとのCSファーストS第3戦。一人の選手がまばゆいばかりの輝きを放っていた。同じ三塁を守るドラフト1位の大山が4打数2安打1打点。新人ながら獅子奮迅の活躍で、強烈な存在感を示していた。

 みやざきフェニックス・リーグに参加中だった陽川は後輩の活躍を耳にし、「来年から外野やな」とつぶやいた。本心ではなかったが、全くの冗談というわけでもない。ウエスタンでは2年連続で本塁打と打点の2冠王。だが、1年目から大舞台で力を発揮する大山と、1軍では結果を残せない自分。力の差を認めざるを得なかった。

 それでも、1軍定着に執念を燃やし続けた。今季から「何かを変えないといけない」と追い込まれてからの“すり足打法”に取り組んできた。逆方向への意識が、変化球への対応という弱点を消し去った。

 これで最下位脱出だ。「これからも結果を残して、負けずに頑張りたい」と力を込めた背番号55。自慢のバットで勝利に貢献していく。

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