立命大・辰己 今秋虎ドラフト上位候補だ 走攻守そろった大学ナンバー1野手

 阪神が今秋ドラフトの上位候補として立命大の辰己涼介外野手(4年)をリストアップしていることが21日、分かった。走攻守三拍子そろった外野手で、主将を務める。今春は関西学生リーグで打率・450をマークし、4季ぶりの優勝へけん引。阪神は長打を打てる左の若手野手が補強ポイントとなっており、ポスト・福留、糸井として大阪桐蔭の根尾、藤原らとともに地元・兵庫県出身の大学No.1野手を追っていく。

 広い甲子園をホームグラウンドとする阪神で、走攻守三拍子そろった外野手はレギュラーの必須条件とも言える。長打を打てる左の若手野手が不足する中、補強ポイントに合致する選手としてリストアップした立命大・辰己。球団幹部は「若手野手を見れば左打者は優先しなければいけないところ」と明かす。

 地元・兵庫県、社高出身の辰己は立命大進学後、1年春からレギュラーを獲得。大学2年時には2学年上の大山や中日・京田、巨人・吉川尚らとともに日本代表に選出され、外野の一角として日米大学野球で豪快な一発を放った。主将を任された今春は残り1節を残して首位打者に肉薄する打率・450をマーク。リーグ史上28人目の通算100安打を達成し、立命大の4季ぶり38度目の優勝に大きく貢献した。

 18日に甲子園で行われた近大戦には、担当の熊野スカウトだけでなく佐野アマ統括スカウト、和田TA、畑山チーフスカウトらスカウティング部門の要人が集結。平凡な遊ゴロを、一塁到達タイム3秒77(スカウト計測)の俊足を生かして内野安打に変えた。別の打席では追い込まれてから左腕が投じたスライダーをきれいに三遊間へ打ち返すなど、確かな打撃センスを持つ。

 スイング自体も2日前にぎっくり腰を発症しながら、影響を感じさせないほどの強さと迫力がある。まだ身長180センチ、体重74キロと細身なだけに、しっかりと体作りに取り組めば、将来、トリプルスリーの達成も期待できる選手だ。

 チームに目を向ければ41歳を迎えた福留、7月に37歳になる糸井の“後継候補”が見当たらない。左のスラッガータイプは補強の優先順位でも上位に来ており、高校生野手の大阪桐蔭・根尾、藤原らとともにドラフトまで“地元の星”を追いかけていく。

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