大山 進化の右打ち 成長曲線右肩上がり! 千金2ランで阪神ホーム初勝利

 4回、2ランを放った大山は中村コーチ(左)らに迎えられる(撮影・北村雅宏)
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 「阪神3-1中日」(7日、京セラドーム大阪)

 若虎の確かな進化を示す一発だった。阪神・大山悠輔内野手(23)が1点リードの四回、右越えに2号2ランを放った。開幕戦での1号に続く右方向へのアーチ。筋力アップの成果を発揮し、金本監督指導のスイング軌道で運んだ打球に、2年目の飛躍を予感させた。チームは今季ホーム初勝利。貯金を1とした。

 打球の質が違った。右打者が逆方向へ流し打ったものではなかった。左のプルヒッターが豪快に引っ張ったように、力強く右翼ポール際へ伸びていった白球。スタンドに飛び込んだ瞬間を見届けると、打った大山自身がやや驚いたような表情を浮かべた。

 「去年までは右方向に打ってフェンス手前で失速することがあったので」と言った背番号3。成長の手応えを感じさせる一撃は1点リードの四回、1死一塁の第2打席だった。

 「1打席目で強く振れなかったので、強く振ることを意識して」とカウント2-1からの4球目、浮いた134キロのカットボールを完ぺきに捉えた。インサイドアウトのスイング軌道で逆方向へ“引っ張ったような”打球は、勢いを失わずに右翼席に着弾。金本監督は「相手の先発がなかなかちょっと捉えにくそうなピッチャーだったところで、あの2ランは大きかったですね」と目を細める。

 昨季の本塁打7本はすべて中堅から左方向だった大山。だが今季は2本とも右方向へ打っている。なぜ逆方向へ強い打球が打てるようになったのか。「ウエートトレーニングの効果が出てきた」と語ったが、肉体面の強化だけでなくスイングの変化も理由の一つだ。

 1年目の春季キャンプから指揮官に直接指導された独特とも言える右肘の入れ方。それを連続ティーで体に染みこませたことで、左肩が深く入りドア気味にバットが出てくる大学時代のスイングがガラリと変わった。

 片岡ヘッド兼打撃コーチが「1年目の春のキャンプとは比べるまでも…ね」と語るように、逆方向に強い打球を飛ばせるインサイドアウトの軌道に変化。それができたのも、本人が素直に指導に耳を傾け、実直に取り組んできたから-。今も「練習でいろんな打ち方をして、引き出しを増やせるように」と、探究心は誰よりも強い。

 ホーム初勝利を呼び込み、お立ち台で「いっぱい本塁打を打ちたいと思いますけど、まずは自分にできることをしっかりやりたい」と力を込めた大山。“日々精進”の言葉を具現化する男だからこそ、まだまだ限りない可能性を秘めている。

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