鳥谷、来季グラブカラーは灰色 三塁転向2年目、大人の色で魅せる鉄壁守備

 阪神・鳥谷敬内野手(36)が来季使用するグラブに灰色を配色することが30日、分かった。不死鳥のごとくよみがえった今季は、三塁手部門でゴールデングラブ賞を獲得。三塁転向2年目となる来シーズンは、重厚感のある色のグラブで鉄壁の守りを披露する。

 球界でも珍しい灰色をあしらったグラブが誕生する。「トリ(鳥谷)のイメージというか。落ち着いた感じというか、どっしりとした感じ。似合うかなと」と説明したのは、長年、鳥谷のグラブを手掛ける久保田運動具店の和田卓也氏だ。安定感が際立つ背番号1には、グレーという大人の色がよく映える。

 新グラブの型は、今季途中から使い始めた三塁手用のものと全く同じ。和田氏は「最初はショート用の小さいグラブでやっていたので。途中、大きく変えてからの感覚も分かっていると思うので、来年は(スムーズに)入りやすいんじゃないかな」と期待を込める。今年一年の慣れが加わることによって、鳥谷の三塁守備はより強固なものになる。

 2016年シーズンは攻守で精彩を欠き、鉄人も加齢による衰えにはあらがえないのかと感じさせた部分もあった。今年のオープン戦の時点でも慣れない三塁守備に苦戦し、レギュラーの座が確約されないまま開幕を迎えた。だが、終わってみれば自身5度目のゴールデングラブ賞を獲得。見事に新境地を開拓した。

 今季、鳥谷が使用したグラブには水色があしらわれていたが、同色はキャリアハイの成績を残した2010年のグラブにも使われていた。「勝手な自分の思いを込めて」と、復活を願った和田氏の親心が詰まったラッキーカラーだ。「大変だった年の次の年だったので、うれしかったですね。本人もびっくりしていたので、電話くれた時に」と同氏の喜びもひとしおだ。

 来季に向けて「サードが自分のポジションだという認識もないですし、本当にもう一回チャレンジするつもりで準備していかないといけない」と闘志を燃やす鳥谷。輝きを取り戻した名手が、ニューグラブを手にチームを優勝へと導く。

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