金本監督も驚きの大逆転劇「長いことプロにいるけど初めて」
「阪神12-9広島」(6日、甲子園球場)
球団史上初、プロ野球の長い歴史でも史上9試合目の9点差大逆転勝利に阪神・金本監督は「驚きが強い?もちろん」と笑みを浮かべた。
五回表を終わって0-9のワンサイドゲーム。「最初は本当にお客さんに申し訳ない気持ちでいっぱい。何とか一つでも盛り上がるシーンを作ってほしいなと思っていたんですが」と明かす。
だが五回に飛び出した梅野のタイムリーを皮切りに、六回は押し出し、バッテリーエラーなどで4点を返した。さらに2死満塁で打席には高山。「走者一掃?ここで打てば勝機が見えてくると思ってね。2ストライクから何とか食らいついて打ってくれて。そういう集中力、土壇場の球際の強さを見せてくれました」と走者一掃の右翼線三塁打でついに1点差へ迫った。
七回には、リプレー検証で同点のシーンが覆り、「え~って感じでしたけど、審判の方が映像を見てしっかりと判断されたわけですから。その後に糸原が良く打ってくれました」。約15分の検証時間で流れが止まったかに見えたが、ルーキーの糸原が同点の右前適時打。さらに続く梅野が右中間を真っ二つに破る2点三塁打でついに試合をひっくり返した。
「9点差をひっくり返したのは、僕も長いことプロ野球の世界にいますけど、初めてですね」と目を細めた指揮官。2度目の4連勝で、今季初めて単独首位に立った。
若手の勢いに、ベテランの経験と技術がかみ合い、つかみ取った1勝。「今日みたいな勝ちは自信にして。絶対、慢心と驕りがないように。そこを引き締めて。また明日、ピリッとしたプレーをする。今日の勝ちを明日の試合に生かすためにも、気持ち新たにやってほしい」と指揮官は満足そうに締めた。