金本虎 初の貯金「5」 梅野2年ぶり弾&猛打賞!守備では藤浪を好リード

 「ヤクルト1-7阪神」(4日、神宮球場)

 金本阪神がついに壁をぶち破った。昨季から通算6度目の挑戦にして初の貯金「5」。3発を含む15安打7得点で完勝した。打率1割台と低迷していた梅野隆太郎捕手(25)が、2年ぶりの一発を含む猛打賞2打点。制球に苦しんだ藤浪を最少失点でリードし、攻守で勝利に貢献した。

 スコアボードに最後の「0」が刻まれ、やっと肩の力が抜けた。滴る汗を拭い、仲間の輪に加わる。晴れ渡った神宮に梅野の笑顔が映えた。制球に苦しむ藤浪を八回途中まで力強く導き、打撃では1号ソロを含む3安打2打点の大活躍。まぎれもなく、ヒーローだ。

 「うまくいかないことばかりなんですけど…。捕手をやっている以上、投手を助けたいという気持ち。攻撃面も、守備面もプラスになった1日でした」

 もがき、苦しむ右腕を懸命に支える姿がチームに流れを呼ぶ。「とにかく、ミットめがけて投げてこい!」。弱気になりそうな右腕の尻をたたき続けた。四回には雄平の二盗を強肩で阻み、リーグトップの盗塁阻止率は・391。献身的なプレーが好循環を生み、この日は打率1割台のバットが大爆発した。

 二回2死で中前へ運ぶと、四回2死は「風に乗ってくれました」と左翼席最前列に飛び込む1号ソロ。15年8月26日・広島戦(マツダ)以来、今季94打席目での一発だ。さらに五回2死一、三塁では右前適時打を放ち、今年2度目の猛打賞を記録。前日は開幕後初めてスタメンから外れ、悔しさを味わった背番号44。金本監督は「中直とか、いい当たりもあったし」と褒めた。

 昨年は37試合の出場にとどまり、鳴尾浜で過ごす日々が続いた。同級生の原口が大躍進を遂げ、正捕手の座は遠のくばかり。追い打ちをかけるように、下半身に痛みを抱えてしまった。試合後は鈍痛に襲われ、徐々に日常生活にまで支障が出始める。「もう、言おうかな…」。しかし、首脳陣へなかなか報告できない自分がいた。

 「グチ(原口)が活躍しているときに、休んではいられない。やりながら治していく」

 打撃の中で配球の読み方を学び、それを自身のリードへ結びつけた。積極的に野手に助言を求め、思考の引き出しを増やした。泥くさく、必死に努力を積み重ねる日々。気づけば、痛みは消えていた。

 プロ4年目シーズンは、開幕から扇の要を務める。「ファンと一緒に戦っていきたいと思います」。チームは、今季2度目の1試合3本塁打を含む15安打の猛攻で快勝。金本阪神初の貯金5となった。5日からは王者・広島との3連戦(甲子園)。さあ、首位獲りへ!梅野が再び輝きを放ち、GWを歓喜で彩る。

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