鳥谷“マルチ返し” 北條に負けん!背番号1の逆襲始まる
「WBC強化試合、阪神3-0豪州」(4日、京セラドーム大阪)
やはり黙って後輩に譲るような男ではなかった。逆方向へきれいにはじき返した2本のヒット。前日は正遊撃争いのライバル・北條が2安打する中で無安打に終わっていた阪神・鳥谷。だがきっちりと修正し、この日無安打に終わった北條に“マルチ返し”を果たした。
本人は「まぐれです」と振り返ったが、確かな内容を伴っていた。三回の第2打席は外角直球を左前へ運び、対外試合初安打をマークすると、すかさず二盗を決めた。続く五回の第3打席は初球の外角ストレートを振り抜いて左翼線を破った。
悠々と二塁へ到達したところでお役ご免となった鳥谷。初回の守備でも三遊間の深いゴロを鮮やかにさばき「練習と同じように動けているかなと思います」と言う。「調整なんて言っている場合じゃない」とキャンプ後に語っていた背番号1。この日の2安打は昨年の不振から脱却したことを物語っている。
片岡打撃コーチは「去年はあれが正面に飛んだりヒットにならなかった。鳥谷らしいヒット」と評する。長打力を追い求めた昨季、バットのヘッドが走らずに逆方向への打球がファウルかポップフライになっていた。左手で押し込むのではなく、右手でさばいた逆方向への打球。「いいか悪いかは分からないけど対戦を重ねながら」と精度を高めていく。
金本監督は「真ん中からインサイドのボールをどれだけ詰まらず打ち返せるか」と課題を指摘。遊撃争いで北條有力の形勢をひっくり返すために-。背番号1の逆襲は始まったばかりだ。
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