糸井キャノン砲発動 キャッチボールで能見うならせた「エグいね!」

 「阪神春季キャンプ」(12日、宜野座)

 キャノン砲発動や!右膝関節炎で別メニュー調整中の阪神・糸井嘉男外野手(35)が12日、屋外でのキャッチボールを再開した。今キャンプ最長となる約75メートルの遠投をした後、約40メートルまで距離を縮めて全力投球。能見篤史投手(37)が「エグいね!」とうなる球は、やっぱり“超人級”だった。

 沖縄の澄んだ青空に緑の芝生が映える。右膝関節炎からの完全復活を目指す糸井が、南国の陽光を全身に浴びながら、また大きな一歩を踏み出した。「今日は暖かかったなぁ」。今キャンプ2度目の屋外トレーニング。サブグラウンドで、力強く右腕を振った。

 10、20、30メートル…。気づけば自然と距離が伸びていく。屋外では初となったキャッチボールも不安はない。最終的に相手役の本屋敷トレーナーから約75メートルまで離れ、故障後初の遠投も実行。その後はじりじりと約40メートルまで縮め、投手時代を思い出したかのように大きく振りかぶって投げた。

 的へ向け、一直線に伸びるボールはまるで「キャノン砲」。187センチ、88キロの巨体から、全身のパワーをフル活用して投げるその姿は圧巻だ。相手のグラブを何度もはじき「怖いです」と言わしめるほどの衝撃。横で見守っていた能見も“超人”のボールに見とれていた。

 「糸井のキャッチボールはエグいね!さすが元ピッチャー」

 その前には芝生の上を走り込み。軽めに行うダッシュの距離は80メートルまで伸び、その後は50メートルを7~8割の力で走った。本屋敷トレーナーは「強度を上げても問題ありませんでした。順調ですね」と笑顔で話す。日に日に完全復活に近づいていることは間違いない。

 宜野座ドームに戻り、ティー打撃で汗を流していると、川藤OB会長が歩み寄ってきた。家族、チーム関係者、そしてOBも背番号7を支えている。だから、焦らずじっくりと3月31日、広島との開幕戦(マツダ)へ向けて調整すればいい。“浪速の春団治”は独自の言い回しで伝えた。

 「『焦っています』と言うから何を言っとるんだと。同じ故障でも、シーズン中にやるよりいいじゃないか。治ってからどれだけできるか。逆に今は精神的に鍛えられるやろ!」

 日本一を目指すタイガースにとって、ゴールデングラブ賞7度の守備は絶対必要。17年シーズンは、糸井の「キャノン砲」にどれだけ救われるだろう。だからこそ、万全の状態になるまで待ちたい。

 「暇やなぁ。打球を見てこようかなぁ」

 ウエート室に入る前、メイン球場を見ながら糸井がつぶやいた。はやる気持ちを抑え、今はじっと我慢する。満開の桜が咲く頃に、フルパワーを解き放つ。

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