糸井フルスイング解禁!故障後初マシン打撃「いい感じ」屋外でも走った

 「阪神春季キャンプ」(11日、宜野座)

 右膝関節炎で別メニュー調整中の阪神・糸井嘉男外野手(35)が、“マン振り”を披露した。今キャンプ初めて屋外でトレーニングを行った後、宜野座ドーム内のマシンを使用して本格的な打撃練習を解禁。51スイング目には規格外の「超人スイング」で完全復活を予告した。

 アンダーシャツはほのかに汗ばんでいた。故障後初、宜野座ドームで解禁した本格的なマシン打撃。ネット裏の本屋敷トレーナーから「ラスト1球」と声がかかる。糸井はゆっくりテークバックを取ると、全身の力を込めてフルスイングした。

 「ぼちぼちです。いい感じですけどね」

 強引に引っ張りこんだ打球は、右側に張られたネットに突き刺さった。8日に試し打ちを行い、患部に問題がないことを確認してついに決行。ティー打撃で94スイング、マシンでは51スイング。まだ全球本気で振っているわけではない。ただ、間違いなく復帰へ大きな一歩を踏み出した。

 午前中には、右膝関節炎で離脱後初めて屋外トレーニングを実施。サブ球場で約3分間のランニングを行い、約30メートルの距離を軽めに6本ダッシュ。その後、内野と外野の土と芝の境目にそって弧を描くように4本。最後は階段を大股で上り歩くトレーニング。合計で約20分間、気温12度の寒空の中で糸井は「走り」も解禁した。

 自主トレ中に右膝に痛みを訴え、1軍キャンプに帯同するものの別メニュー調整が決まった。第1クールはウエートトレーニングを中心に進め、第2クールからは下半身のトレーニングを開始。そして第3クール初日、ついに完全復活へペースアップ。徐々に表情も明るくなってきた。

 「一緒ですよ。変わりません。まだ思いっきり走ってないから。ゆっくり、しっかりやりますよ」

 この日は、家族が宜野座村野球場へ応援に駆けつけた。新天地でも支えてくれる存在は不変だ。藤川やドラフト2位・小野(富士大)らと談笑するなど、チームにも溶け込んできた背番号7。リハビリをサポートする本屋敷トレーナーは「問題なかったです。レベルを上げていかないとね」と力強く話した。

 南国とは思えない震えるような寒さも心は熱く、熱く燃える。金本監督に「初めての恋人」と言わしめた男。完全復活を遂げる日は、そう遠くない。

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