安藤が帰ってきた!圧巻の満塁斬り

 「阪神4-3DeNA」(12日、甲子園球場)

 寸分の狂いもなく投げ分けた。阪神・安藤が投じた至高の3球-。最後はDeNA・井手のバットを真っ二つにへし折り、絶体絶命のピンチを切り抜けた。聖地に漂う不穏な空気を、経験豊富な男が鮮やかに吹き飛ばした。

 「藤浪が頑張っていたので、勝ちをつけてあげたかった」と安藤。場面は七回、1点差に迫られなおも2死満塁の状況でマウンドに上がった。初球、アウトローのスライダーでカウントを取ると、2球目は高めの直球を振らせて追い込んだ。

 そして3球目、ストライクゾーンから逃げるスライダーでバットを折り、一ゴロでピンチを脱出。試合中、井手のスイングをモニターで観察し「いい感じで振れていた。コントロールだけは間違えないように」と万全の準備を整え、確かな技術で任務を遂行した。

 「よく3球で仕留めてくれた。土壇場の底力というか、そういうのを感じるところはあるよね」と金本監督も称賛を惜しまない。4年ぶりの開幕2軍スタートとなった今季。それでも「いつかはチャンスが来る」と自分の調整に徹した。

 2月の安芸キャンプでも遅くまでウエート室にこもり、一切の妥協を見せなかった安藤。そんな姿に江夏臨時コーチは「速い球がなくても、なぜ1軍でやっていけるか。それはコントロール。自分で考えて調整もできる。若手は見習ってほしいよね」と語っていた。

 お立ち台で制球力を問われた右腕は「それしかないんで」と謙虚に語った。四球も許されない状況で投げ切った3球-。そこに背番号16の神髄がある。

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