ドラ1高山“神話打”打点挙げれば不敗

 「DeNA0-5阪神」(2日、横浜スタジアム)

 その瞬間、勝利がほぼ約束された。2-0の九回1死一、二塁で、阪神ドラフト1位・高山俊外野手(22)=明大=が左越えへ2点適時二塁打。「初球のボール球を振ってしまったけど、ストライクゾーンを小さく持って、切り替えて狙っていきました」。最後はカウント3-1からの外寄りの直球を逆らうことなくはじき返した。

 前日は1-0の七回2死三塁と追加点のチャンスで打席を迎えたが、結果は一ゴロ。「きのう、もう1点というところで取れず勝ち切れなかったので、きょうは取れてよかった」。前々日に3イニングを投げたマテオの温存にもつながり、金本監督も「内心、待ってほしかったけどね。あそこで待て!はないしね。あれで勝利を確信したけどね」と孝行息子の働きにご満悦だ。

 実は高山の打点とチームの勝敗には相関性がある。“初打点”を挙げたのは、宜野座キャンプ中の2月28日。紅白戦に紅組の「6番・左翼」で出場し、最終回にランニング3点本塁打を放った。この試合は紅組が7-3で勝利。これが不敗神話の始まりだった。

 以後、オープン戦で打点を記録した4試合は2勝2分けで、シーズン開幕後はこの日で3勝1分け。それでも本人は「今知ったぐらいで分からないです」と、どこ吹く風。ただ「チャンスの場面でまた打てるようにしたい」と神話の継続には意欲的だ。

 三回の第2打席は、相手の右翼手・ロマックが打球の処理にもたつくのを見るや、勢いよく一塁を蹴って二塁に到達。打撃だけではなく、隙のない走塁も大きな魅力だ。

 この日の2安打で、チームトップの11安打とした。得点圏打率自体は・167と決して高くはないが、不敗神話は勝敗に直結する重要な場面で一打が出ていることの証し。幼少期から神童として知られた背番号9には、勝利がよく似合う。

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